| 研究課題/領域番号 |
24H00283
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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| 研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澄川 貴志 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80403989)
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| 研究分担者 |
嶋田 隆広 京都大学, 工学研究科, 教授 (20534259)
安部 正高 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (50582623)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2026年度)
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| 配分額 *注記 |
48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
2026年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2025年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2024年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
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| キーワード | ナノ・マイクロ / 転位 / 疲労 / 塑性 / 機能 |
| 研究開始時の研究の概要 |
繰り返しの力学刺激を受けたナノ・マイクロ材料中の自己組織化転位構造に着目し、表面・界面の影響を強く受けた自己組織化構造形成の支配力学の解明を試みる。また、その学理に基づいて転位の自己組織化構造の人為的な設計・制御についての検討を行い、転位の自己組織化構造を制御した超高機材料の創製に挑戦する。最終的に「機械工学・材料力学における新学術分野「幾何学的欠陥設計制御工学」の開拓を試みる。
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| 研究実績の概要 |
令和6年度の研究実績は、以下のように纏めることができる。1. すべり系の数が少なく透過型電子顕微鏡を用いた観察の際明瞭な透過像が得られるニッケル(Ni)を対象とし、ミクロンサイズの試験片に対する引張圧縮繰り返し負荷試験により、繰り返し負荷の増加に伴う内部構造の形成過程を特定した。その結果、引張試験で得られる降伏応力の半分程度の応力振幅でも繰り返し負荷によって転位は増殖し、ミクロンサイズ特有の転位構造が作られていく過程を特定した。2. 片側もしくは両側に異材界面を貼り付けたNi単結晶に対して繰り返し負荷を与えた際の自己組織化転位構造を明らかにし、その支配力学についての検討を行った。主すべり方向を界面と平行にした場合と対向させた場合とでは、界面からおよび表面からの鏡像力により異なる自己組織化転位構造を作れることを明らかにした。3. ミクロンサイズの試験片に対して効率よく繰り返し負荷を与えることのできる共振疲労試験を設計・作製した。本装置は、走査型電子顕微鏡内において高温下での実験が可能であり、次年度以降に実施する繰り返し負荷試験への想定材料であるチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)における自己組織化転位構造の作製に用いる。4. SrTiO3に生じた分極特性の測定に用いる圧電応答顕微鏡(PRM)の測定結果に及ぼす試料表面形状の影響を明らかにし、その原因(探針-サンプル間の静電力)を明らかにした。5. 透過型電子顕微鏡内でBaTiO3に対するその場観察曲げ試験を実施し、フレクソ係数の特定を試みた。本実験で得られたフレクソ係数を取り込んだフェーズフィールド解析手法の整備を行った。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
令和6年度は、研究計画上は“ミクロンサイズの試験片に対する新しい繰り返し負荷試験手法・装置の開発”と“ミクロン材料中の自己組織化構造及びその形成過程の特定”が主な目的である。申請時には、ミクロンサイズの試験片に対する塑性ひずみ振幅制御システムの構築を予定していたが、その後の検討により、塑性変形量の少ないセラミックス材料であるSrTiO3を対象として本研究の目的を達成する場合、高サイクルでの負荷が可能であり転位の易動度を向上した条件での実験の実施が重要であることがわかった。このため、容易に高サイクル負荷を与えることができる共振疲労試験装置を開発した。この装置は、走査型電子顕微鏡内において、転位の易動度の上昇を目的とした高温下でその場観察試験を実施することができる。また、対象材料内に最終的に発生した分極を正確に測定するために、計測に用いる圧電応答顕微鏡の測定結果に及ぼす可能性がある諸因子について検討を行った。その結果、測定用探針先端の曲率半径に起因したconverse flexoelectricityの影響はほぼないが、測定材料表面の形状に基づく静電力の影響が極めて大きく、測定時には注意を要することを明らかにした。加えて、ミクロンサイズの結晶材料における自己組織化転位構造の形成過程とその支配力学を明らかにするためにNi単結晶に対する実験を行った。尚、ミクロンサイズの材料は厚すぎるため、1MV級の加速電圧を有する超高圧透過型電子顕微鏡を用いてもその場透過観察実験ができないことから、同一の試験片を複数用意してそれぞれに異なる繰り返し数を与え、試験終了後に薄片化して内部観察を実施することで、自己組織化の過程を明らかにすることに成功した。研究は順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って研究を実施する予定である。令和7年度の計画は、“ナノ材料中の自己組織化転位構造およびその形成過程の特定”、“積層欠陥エネルギーの異なる材料への繰り返し負荷実験”、 “SrTiO3中の小傾角粒界上の転位周辺の分極観察”、“SrTiO3に対する高温環境下での繰り返し負荷試験”、“力学特性特定のためのシミュレーションの実施”である。前年度実施したミクロン材料とは異なり、ナノ材料では電子顕微鏡内でのその場透過観察試験が可能である。このため、現有の専用装置を用いて、ナノサイズのNi単結晶試験片における繰り返し負荷印加時の内部構造の変化を特定する。ただし、ナノサイズの試験片は剛性が極めて小さいことから、運搬時や負荷装置への設置時の振動によって試験片がダメージを受けない試験手法を開発する。また、これまでにミクロンサイズの材料内での特有の転位の増殖や自己組織化転位構造の形成には、交差すべりの影響が重要であることがシミュレーションによって予測されている。このため、交差すべりの活動を抑制する低積層欠陥エネルギーの材料(銅アルミニウム(CuAl)を想定)を用いて実験及び内部構造の観察を行い、これらの結果から、ミクロン材料内での転位の自己組織化の支配力学について新たな知見を加える。さらに、刃状転位が周期的に配列された小傾角粒界を含むSrTiO3について、転位周辺の分極観察を試みる。前年度に開発した試験装置を用いて、ミクロンサイズのSrTiO3単結晶に対して高温下での繰り返し負荷試験を実施し、試験後の内部構造を明らかにする。最後に、マルチスケール解析に用いる様々なパラメータを、実験結果を基に設定し、必要なシミュレーションを実施する予定である。
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