研究課題
基盤研究(A)
嫌気的な水田土壌で生育するイネの根の内部には、通気組織が高度に発達し、耐湿性の基盤として機能している。これまでに研究代表者は、イネの根の通気組織形成に必須の遺伝子を発見した。本研究では、根やそれを含めた周辺空間の多様なオミクスデータを活用し、当該遺伝子を軸とした根の通気組織形成の基盤となる遺伝子ネットワークや制御システムの実体、また、その機能欠損変異体に現れる生命活動の変化を明らかにする。これらのことを通じて、イネの根の通気組織形成の分子メカニズムやその成立過程、生理生態的役割についての理解が進展し、イネ科畑作物の耐湿性を向上させる分子育種技術の核となる知見が得られると期待される。