| 研究課題/領域番号 |
24H00639
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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| 研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤司 浩一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80380385)
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| 研究分担者 |
加藤 光次 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20571764)
山内 拓司 九州大学, 大学病院, 助教 (20796213)
菊繁 吉謙 九州大学, 大学病院, 講師 (40619706)
森 康雄 九州大学, 大学病院, 講師 (90573345)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
48,230千円 (直接経費: 37,100千円、間接経費: 11,130千円)
2025年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2024年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
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| キーワード | 白血病幹細胞 / 急性骨髄性白血病 |
| 研究開始時の研究の概要 |
近年の急性骨髄性白血病(AML)研究により、白血病幹細胞ではミトコンドリアにおける酸化的リン酸化(OXPHOS)によるエネルギー産生に依存している事が分かってきた。申請者らは、ヒト白血病幹細胞は、Ribosomal biogenesis制御を介したエネルギー産生制御機構を利用していることを予備検討において見出しており、ribosome biogenesisが白血病幹細胞のバイオロジーを寄与する詳細なメカニズムについて本研究で明らかにし、同時に新規治療戦略の構築を目指す。
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| 研究実績の概要 |
近年の急性骨髄性白血病(AML)研究により、白血病幹細胞ではワールブルグ効果で知られる固形がんと異なり、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化(OXPHOS)によるエネルギー産生に依存している事が分かってきた。実臨床においては、BCL2阻害剤Venetoclax(VEN)がOXPHOS阻害活性を有することで顕著な抗白血病幹細胞効果を示すが、殆どの症例においてVEN抵抗性が獲得され治癒は望めない。申請者らは、ヒト白血病幹細胞は、OXPHOSが抑制されるとグアニンヌクレオチド合成系を活性化し、Ribosomal biogenesis制御を介して解糖系によるエネルギー産生にシフトするという代謝の可塑性を持つことを見出した。本研究においては、AMLおよびヒト白血病幹細胞における「代謝可塑性」の鍵であるRibosomal biogenesisについてその制御メカニズムを明らかにし、これを標的とした新規治療戦略を構築する。2024年度は先行研究データに基づき、AMLにおいて特異的かつ強力にribosome biogenesisを阻害すると考えられたグアニンヌクレオチド合成系阻害について、in vitroおよびin vivoでの治療モデルの構築と下流メカニズムの探索を中心に取り組んだ。その結果、ヒト白血病幹細胞においては、グアニンヌクレオチド合成系阻害により強力にribosome biogenesisの抑制が生じること、VEN治療抵抗性を打破する可能性があることを確認することができた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
1. Ribosomal biogenesis checkpoint誘導による新規AML治療理論・モデルの構築 2024年度はヒトAML検体を用いた殺白血病幹細胞効果の評価・前臨床試験をin vitro, in vivoで行った。種々の遺伝子変異(特にTP53変異)を有する患者AML細胞を用いた実験では、グアニンヌクレオチド合成系阻害により、著明な抗白血病幹細胞効果が認められること、特にVENとの相乗的な効果が期待されることや臨床的にVEN抵抗性のAML細胞出会ってもグアニンヌクレオチド合成系の遮断により、相乗的な効果が生じることを複数症例で確認した。
2. グアニンヌクレオチド合成系阻害による抗白血病幹細胞効果メカニズム探索 グアニンヌクレオチド合成系阻害によるribosome biogenesis活性低下がどのように誘導されるか、そして下流のエフェクター分子が何であるかについて2024年度は研究計画に従い研究を遂行した。まず、グアニンヌクレオチド合成系阻害前後のAML細胞株を用いたRNA-seqを行った。複数の細胞株で共通して変動するpathway解析をGSEAにより行った。その結果、TP53下流遺伝子群の発現上昇が認められたことからTP53機能の回復が生じている可能性を考慮し、研究を継続している。
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| 今後の研究の推進方策 |
1.前臨床試験の継続。2024年度に引き続き、in vitro, in vivoでさまざまなサブタイプ、遺伝子変異を有するAML症例でのin vitro, in vivoでの実験を継続する。また、グアニンヌクレオチド合成系によりribosome biogenesisを制御することが、普遍的に白血病幹細胞活性に重要であることを評価するために、CRISPR/CAS9もしくはshRNAを用いたグアニンヌクレオチド合成系遺伝子の抑制実験を行う。また、ribosome biogenesisの抑制がVEN以外の薬剤との相乗効果を生じる可能性についても検討を行う。
2.Ribosome biogenesis抑制が抗白血病幹細胞効果を誘導する下流エフェクター分子群の同定について2024年度の研究結果に基づき、研究を進める。先行データにおいては、特定のribosome proteinとMDM2の相互作用の可能性を見出しており、2025年度は、上記TP53機能の回復を認めたtranscriptomeデータとの整合性について検証を行う。
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