本研究では、現代のグローバル社会を想起するような「文明のアリーナ」としての古代地中海世界史を対象に、歴史学と歴史教育の対話に基づいた「開かれた古代地中海世界史研究」を位置づけ、問いと資料を軸とした「歴史総合」「世界史探究」の授業開発を目的とする。先行研究において歴史教育における古代地中海世界史の危機的な状況は問題提起はされているが、授業実践に基づいた具体的な解決策が示されていない。そこで、本研究では高校生や社会人などの一般市民に対して古代地中海世界史を開くこと、すなわち、高大連携と市民協働型の歴史実践を目指し、博物館資料を活用した「歴史総合」「世界史探究」の授業開発を行う。
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