科学は「ことば」でできており,論文や書物といったテクストが科学の正体である。理科教科書は,パラダイム(科学の先行研究における模範的業績)の本質を失わずに,その一部を子どもでもわかるように平易に記した科学のテクストであり,その読解は科学の学びである。 本研究は,参考書として部分的・断片的に使われがちな理科教科書を,読むべき「科学のテクスト」として捉え直し,学習者が科学のテクスト読解によって科学を理解する指導法を開発し,授業実践からその適切性を評価することを目的とする。 本研究を通じて,税金を投じて無償給与されながら使用頻度の低い教科書の有効な使い方を提案する。
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