疾患状態を詳細に把握し正確な診断を行うためには、多様な成分が混在する生体組織において、個々の分子を特定し可視化する必要がある。 TOF-SIMSは、微小領域に存在する有機分子を可視化することのできる数少ない分析手法である。しかしながら、質量の大きな分子はイオン化しにくい傾向にあり、検出感度が低下するという難点がある。生体内に存在する質量の大きな分子を同定し、可視化するためには、その感度を如何に向上させるかが重要となる。 そこで、本研究では、生体分子を効率的にイオン化させることにより、高分解能なイメージングの取得を実現させる新しい前処理法の確立を目指す。
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