シアン化物は毒性が高く科学捜査における重要な分析対象物質であるが、シアンそのものは血液中で不安定であり、安定性の高いシアン摂取指標としてATCA(2-アミノチアゾリン-4-カルボン酸)が注目されている。シアン中毒死の見逃し防止のためには、血液中シアン及びATCA両方の定量分析を行うことが理想的である。しかしながら、シアン及びATCAの分析には、それぞれ煩雑な前処理や特殊な分析条件が必要であり、膨大な手間と時間がかかるのが現状である。本研究では、シアン及びATCAの同時誘導体化を軸に、汎用的な分析条件(逆相LC/MS)での同時定量分析法の確立を目指し検討を行う。
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