周術期のせん妄予防に用いられる抑肝散は、構成生薬として甘草を1.5 g/日含んでおり、低カリウム(K)血症と高血圧を主症状とする偽アルドステロン症が問題となる。本研究では、周術期に抑肝散を投与する場合の偽アルドステロン症のリスク因子を明らかにするため、抑肝散投与症例を対象とし、患者背景、血圧、血清K値、血中の甘草由来成分(グリチルレチン酸)濃度、血中アルドステロン濃度およびレニン活性等を追跡する。これらより周術期に抑肝散を投与する場合の偽アルドステロン症のリスク因子を明らかにし、リスク因子を考慮した投与量および期間の調整により副作用の重篤化を防ぐ。
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