肺移植後は他の臓器移植と比べて術後サイトメガロウイルス(CMV)感染症のリスクが高いため、予防的に抗CMV薬のバルガンシクロビル(VGCV)が投与される。申請者は、VGCVおよび活性代謝物のガンシクロビル(GCV)の母集団薬物動態解析を実施した結果、VGCV投与に伴う重篤な白血球減少を予測するGCV血中トラフ濃度は850 ng/mL以上であることを明らかにした(Transpl Infect Dis 2023)。本研究では、肺移植後のCMV感染予防に対する、GCVの血中濃度に基づいたVGCVの個別化投与設計の有効性と安全性について、従来の標準的投与設計を対照に比較検討することを目的とする。
|