過大腎クリアランス(ARC)は糸球体濾過量が正常範囲を超えて亢進した状態であり、多くの抗菌薬を含む腎臓から主に排泄する薬物の血中濃度は低値を示す。テイコプラニン(TEIC)はARCを生じやすい重症感染症時に頻用される抗菌薬であり、治療に必要な血中濃度が得られないことは生命予後に直結する恐れがある。しかし、ARC時のTEICの薬物動態(薬の体内での動き)に関する情報は不足しており、投与初期から抗菌効果が期待できる十分な血中濃度を得るための投与法の開発が望まれる。本研究では、ARC患者を対象としたTEICの薬物動態解析を実施し、治療効果を最大化するための至適投与法の確立を目指す。
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