バンコマイシン(VCM)単独投与に比べ、タゾバクタム(TAZ)/ピペラシリン(PIPC)併用投与は、急性腎障害(AKI)の発症リスクを増加させることが報告されている。一方、このAKI発症メカニズムは、VCM及びPIPCによるクレアチニン(Cr)の尿細管分泌を担うsolute carrier(SLC)トランスポーターの阻害による可能性が示唆されている。しかし、これらのSLCトランスポーターの遺伝子多型やPIPC及びVCM血中濃度がSCr濃度に及ぼす影響については明らかにされてない。本研究では、VCMとTAZ/PIPC併用投与によるSCr濃度上昇のメカニズムを、臨床薬理学的アプローチで解明する。
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