微小乳頭型肺腺癌は腫瘍細胞が小塊(微小乳頭成分)を形成して肺胞腔内に浮遊した病理像を特徴とする浸潤性肺癌で、癌のステージが初期でも転移しやすく予後が不良である。しかし、その本態性や最適な治療法は未だ不明である。研究が難航する理由の1つに、細胞株の樹立が困難で生細胞を用いた解析が不可能であったことが挙げられる。申請者は世界で初めて微小乳頭型肺腺癌細胞株の樹立に成功し、KU-Lu-MPPt3と命名した。本研究では、KU-Lu-MPPt3細胞株を用いて微小乳頭型肺腺癌の本態性を解明し、治療法の開発に繋げることを目的とする。
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