我々はこれまで卵管から分泌され配偶子を修飾する糖タンパク質OVGP1を発見、解析してきた。この分子の機能解明を目的とし、マウスにおいてこの遺伝子をノックアウト(KO)した。その結果、生殖過程に明確な異常を認めず仔の出産に至るものの、野生型に比べKOでは半数近くが出生後に正常な哺乳態勢をとれないまま授乳に至らず、その多くが1日以内に産仔が死亡することが明らかとなった。 本研究ではこの産仔の死亡について母獣およびその仔の両方に注目し、この分子の欠損が母体内での仔の成熟もしくは出産後の哺育のどちらか、またはその両方に影響を及ぼしているか雌親交換哺育法を用い特定を試みる。
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