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科学における《価値中立性》理念に対する科学哲学的観点からの再検討

研究課題

研究課題/領域番号 24K00002
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01010:哲学および倫理学関連
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
合同審査対象区分:小区分01010:哲学および倫理学関連、小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
研究機関一橋大学

研究代表者

井頭 昌彦  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (70533321)

研究分担者 清水 右郷  宮崎大学, 医学部, 講師 (20975297)
二瓶 真理子  岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (50770294)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2029-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2028年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2027年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード科学哲学 / 価値中立性 / value-free / the value-free ideal
研究開始時の研究の概要

本研究課題では、科学は社会的価値や政治的価値の影響を受けないとする《科学の価値中立性理念》の是非を主題的に検討する。科学哲学分野ではこの理念を十全に引き受けることは難しいという理解がおおむね標準化しているが、本研究課題では、この見解をひとまず受け入れた上で、《どのような価値判断の関与であれば許容可能か》という価値マネジメント問題に焦点化し、科学研究分野の多様性を踏まえた現状分析と規範的提言を目指す。具体的には、ジェンダー論・フェミニズム研究・医学・リスク学を対象とした科学哲学的研究を行う。

研究実績の概要

本年度は立ち上げ1年目の作業として、①2回の科研費研究会、②関連文献のサーベイを行なった。

①の科研費研究会については、2024年7月31日に第1回の研究会を、2025年3月27日に第2回の研究会を行なった。第1回の研究会では、総括の井頭昌彦から全体スケジュールと概説書の書籍内容の概略を示した。また、分担者の二瓶真理子から生物医学及び心理学に関する価値中立性問題の報告と、清水右郷からがん疫学の社会認識論および価値中立性問題についての最近の研究動向の解説が行われた。第2回の研究会では、分担者の清水右郷から最近の活動として「科学政策に対する科学哲学の貢献可能性について」(『『科学哲学科学史研究』)、「その利益相反、大丈夫?」(日本リスク学会第37回年次報告)、「メタサイエンスの未来地図」(メタサイエンス研究会ワークショップ)、「症例報告の同意取得のあり方」(第10回研究倫理を語る会)について報告がなされ、また利益相反(COI)の分類と最近の研究について解説がなされた。また、総括の井頭昌彦から「科学の価値中立性に関する論争についてどのように伝えるべきか:「科学の価値中立性」理念をめぐる現在の論争状況とトレンド」と題した報告がなされ、Lusk and Elliott(2024)およびStamenkovic(2024)という対立する重要文献の解説と、それを踏まえた概説書の内容に関する踏み込んだ検討がなされた。

②のサーベイ報告については、科研費研究員2名により、一般科学哲学および心理学を中心とした価値中立性関係の重要文献30本弱について公開可能なレジュメ作成を進めた。webサイトでの公開については体裁調整中であり、2025年度以降に広報しつつ公開する予定である。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は、分野ごとに認識的目標が異なりうるという前提(認識論的多元主義)を置いた上で、科学における価値観の関与をどう管理していくかという課題(価値マネジメント課題)に、分野ごとの個別事情を踏まえつつ取り組んでいく、という構想になっている。そのための最初の作業は、科学の価値中立性理念に関する議論の基本的枠組みを確認し、分野間で大きな相違なく通用する部分を見定めることである。それが確保できれば、それを共通ベースとした上で、分野ごとの個別事情を考慮した価値マネジメント課題への対応の相違を検出していくことができる。2024年度は、科学の価値中立性理念に関する議論の基本的枠組みを確認しつつ、分野間の相違を積極的に見出していくべき部分との境界線をある程度明らかにすることができた。また、この作業に加えて、心理学分野における価値判断の介在についてのサーベイもある程度進めることができた。それゆえ、本研究課題の進捗状況は、当初の計画に照らして、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

2年目となる2025年度は、上記の「科学の価値中立性理念に関する議論の基本的枠組み」を踏まえた上で、分野ごとの個別事情を考慮した「価値マネジメント課題への対応の相違」を検出する作業を進めていく。具体的には、ジェンダー論・フェミニズム研究および医学研究を分野としてピックアップし、そこでの価値中立性理念の受け止められ方および価値マネジメントのあり方を明らかにする作業に取り組む。そのために、2025年度は、科研費研究員として2名を雇用し、それぞれジェンダー論・フェミニズム研究および医学研究に関する科学哲学のサーベイを進める。これを踏まえて、認識的多元主義の一形態としての価値マネジメント多元主義の可能性を模索することが当該年度のテーマとなる。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] 質的研究におけるHARKing問題?2024

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦
    • 雑誌名

      年報社会学論集

      巻: 2024 号: 37 ページ: 35-47

    • DOI

      10.5690/kantoh.2024.35

    • ISSN
      0919-4363, 1884-0086
    • 年月日
      2024-09-03
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] リスク評価の科学哲学の密やかな先駆者―Cranorによるプロポジション65の分析―2024

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 雑誌名

      リスク学研究

      巻: 34 号: 1 ページ: 3-12

    • DOI

      10.11447/jjra.R-23-023

    • ISSN
      2435-8428, 2435-8436
    • 年月日
      2024-06-20
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 科学における価値使用の正統性をめぐるフェミニスト経験主義の検討2024

    • 著者名/発表者名
      二瓶真理子
    • 雑誌名

      アルテス リベラレス

      巻: 114 ページ: 79-100

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 科学的に説明するとはどういうことか:法則・因果・適切性判断2025

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦
    • 学会等名
      因果とは何か:哲学・数学・物理から考えるII
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 症例報告の同意取得のあり方2025

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      第10回研究倫理を語る会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] メタサイエンスの未来地図2025

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      メタサイエンス研究会ワークショップ
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 科学的説明論のアウトラインーー因果関係と適切性判断ーー2024

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦
    • 学会等名
      共創ミーティング「数学+哲学+物理 ディスカッション:科学的説明とは何か?」(富士通×東北大 発見知能共創研究所)
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「質的」研究との生産的な交流のために2024

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦
    • 学会等名
      2024年度 ナラティブ意識学ワークショップ 「脳・言語・意識」
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 科学的説明とは何か?:基本事項の確認と適切性判断2024

    • 著者名/発表者名
      井頭昌彦, 清水雄也
    • 学会等名
      公開研究会「社会科学における計量分析を再考する:重回帰分析やSEMはいったい何を“説明”してきたのだろうか?」
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 方法論的進歩と望ましい結果を政策で結ぶ2024

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      日本評価学会第25回全国大会(共通セッション「エビデンスと政治」)
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] がん研究の社会認識論の可能性を広げる2024

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      日本科学哲学会第57回年次大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 予防のパラドックスの有意義な扱い方2024

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      第37回日本リスク学会年次大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] その利益相反,大丈夫?2024

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      日本リスク学会第37回年次大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] リスクコミュニケーター向けの倫理学の教科書について議論したいこと2024

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      日本リスク学会・レギュラトリーサイエンスTG合宿
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 疫学方法論の「進歩」2024

    • 著者名/発表者名
      清水右郷
    • 学会等名
      応用哲学会第16回年次研究大会(ワークショップ「研究の目的と方法のダイナミズム」)
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] Methodological progress in epidemiology? A case study of the historical development of case-control study2024

    • 著者名/発表者名
      Ukyo Shimizu
    • 学会等名
      11th International Philosophy of Medicine Roundtable 2024年5月10日 Centre for Philosophy of Epidemiology, Medicine, and Public Health
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2024-04-11   更新日: 2025-12-26  

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