| 研究課題/領域番号 |
24K00072
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
小区分02090:日本語教育関連
合同審査対象区分:小区分02070:日本語学関連、小区分02090:日本語教育関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
志波 彩子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (80570423)
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| 研究分担者 |
長屋 尚典 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20625727)
永澤 済 上智大学, 言語教育研究センター, 教授 (50613882)
早津 恵美子 名古屋外国語大学, 世界教養学部, 教授 (60228608)
佐々木 冠 立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (80312784)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2028年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2027年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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| キーワード | ヴォイス / 受身・可能・自発 / 自動詞・他動詞 / 使役・逆使役 / 中動態 / 構文 / 対照研究 / 類型論 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は,日本語のラレル,サセルを中心に,自動詞,他動詞,可能,自発,授受といった様々な構文の間の相互関係を共時的かつ通時的に記述することで,日本語のヴォイス体系の総合的把握を目指すものである。古代日本語から中世,近世,近代,現代にいたる各構文のあり様を,テキスト的な違いも考慮に入れながら記述することで,日本語のヴォイスの発達過程を明らかにしていく。さらに,日本語の方言やスペイン語,タガログ語,中国語などとの対照を通して,諸言語のヴォイス体系に共通の特徴を明らかにし,同時に日本語に固有の特徴を浮き彫りにいていく。
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| 研究実績の概要 |
昨年度は,上智大学において2回の研究発表会を行った。第1回目は,メンバー全員が発表し,それぞれのこれまでのヴォイスに関わる研究を紹介し,今後の方向性について議論した。まず長屋尚典が,タガログ語の非意図と関わる動詞接辞ma-に付いて発表し,日本語の自動詞構文,可能構文との近さについて議論した。次いで佐々木冠が北海道方言の自発形式ラサルについて発表した。ラサルは,動詞のCAUSE(働きかけ)部分を完全に削除する逆使役形式だという発表であったが,同時にラサルは非意図も表すため,非意図の意味を表すためには動作主の含意が必要なのではないかという議論となり,この分析は今後の課題として残された。次に永澤済が『御成敗式目』の和化漢文を対象としてその中の受身ないし主催構文と思われる構文についての調査を発表した。『御成敗式目』内の例は格標示のない例が多いため,有情受身なのか,主催構文なのか曖昧な例が多いという結論であった。両者の曖昧な例が多いということは,その後日本語の書き言葉文体の中で非情受身が発達する上で重要な特徴と考えられた。 志波彩子は,現代日本語に2つの異なるヴォイスの体系があることを発表した。1つは話し手の視点の転換に関わる体系であり,有情受身や授受構文がこの体系を構成する。もう1つは「自動詞化・他動詞化」に関わる体系であり,この体系は語彙的な自動詞・他動詞の体系を補うものとして機能し,非情受身や可能構文の一部,自発構文がこれを構成する。この内容は,『東アジア国際言語研究』に招待論文として掲載した。さらに青木博史が,「青い目をした少女」のように,意志性や働きかけ性を持たない「~をした」という構文の歴史的な成立過程について発表した。研究会での意見交換を踏まえて,それぞれがさらなる調査に臨んでいる。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度はプロジェクト1年目であったが,2回の研究を開催し,メンバーがそれぞれの研究の方向性を確認し,さらに3月にはある程度の成果を発表し合えた。志波は日本イスパニヤ学会でスペイン語の非意図を表す構文(自発構文)について発表した。その研究手法は,日本語の構文分析の記述的研究を援用しており,スペイン語学研究においても応用できることを示した。この発表を踏まえて,3月の研究会ではスペイン語と日本語(古代日本語含む)の自発構文の対照研究を発表した。スペイン語のseと日本語のラレはいずれも逆使役の形式として機能しており,しかしここに新たな関与者を導入することで自発や間接影響の意味を表している点で共通している。こうしたスペイン語と日本語の共通点については,今後国際学会で発表していく予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後も昨年度同様に,年2回の研究発表会を予定している。志波彩子は,スペイン語と日本語の対照研究の成果を国際学会で発表する予定である。さらに,5月の日本語学会では,これまで近世以前の日本語には通常の非情主語受身がなかったと考えられていた通説に対し,書き言葉文体には近世もしくは中世後期には非情主語受身が存在したことを発表した。この成果は,テキストと文法の関わりを議論する論文集に招待論文として寄稿予定である。書き言葉文体の非情受身については,特に「行はる」という動詞が漢文訓読の影響で古くから使われていたという記述があり,この動詞の調査を引き続き進める。 さらに,和化漢文の調査が必須であるため,永澤済がこれを担当し,進めていく。特に,『発心集』などの中世の文献について,調査を行う。また,青木博史は,使役構文に本来的使役と他動性使役の大きく2つのタイプがあるという立場から,この2つのタイプの歴史的変遷(特に無意志動詞の使役構文)について調査していく。佐々木冠は,今年度後半から北海道にさらなる調査に行き,自発と逆使役の関係を考察していく予定である。長屋尚典も,タガログ語の中動態について,日本語との対照研究を行う予定である。
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