研究課題
基盤研究(B)
黄河や長江等の大河を始めとする河川流域や湖沼の周辺に、大人口を有する中国では、「水利」と呼ばれる水管理は、歴史的に社会経済と政治行政の基礎であり、各時代・各地の水利に関する研究も蓄積されてきた。近年来の地球環境とエネルギー利用の長期的展開に関する問題関心を受けて、本研究では、歴史学者と、気象学、水文学の研究者が協働し、19世紀半ばから20世紀末までの百年余りについて、19世紀以降、中国各地で行われ始めた気象・水文の定期観測のデータと、モデルを応用した解析から、過去の自然環境を再現し、その中に人間の営為を位置付けていくことにより、自然環境と人間社会の相互関係の動態を明らかにしていく。