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近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24K00126
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
研究機関神戸大学

研究代表者

真下 裕之  神戸大学, 人文学研究科, 教授 (70303899)

研究分担者 前田 弘毅  東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (90374701)
杉山 清彦  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80379213)
清水 和裕  九州大学, 人文科学研究院, 教授 (70274404)
柳谷 あゆみ  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (90450220)
山下 将司  日本女子大学, 文学部, 教授 (50329025)
伊藤 一馬  日本大学, 法学部, 講師 (90803164)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
キーワードユーラシア帝国 / 軍事力 / 比較史 / 軍事エリート / 城塞
研究開始時の研究の概要

本研究は近世ユーラシア諸帝国の統合に資した〈軍事力〉の構造や特質を、その人的基盤と物的基盤の二つの検討課題に即して、相互に比較・検討する方法を取る。検討課題をさらに8つの共通課題に細分したうえで、それぞれを主題とする定期研究会を実施して、メンバーの専門に則した知見の交換と総合を横断的に進めていく。こうして得られた総合的知見を実地に検討するため、インドおよびイランにおける、軍事史上の舞台となった城砦等を合同で実地に調査する。これらの知見は各年度にワークショップを開催して、国際的に共有するとともに、最終的な成果を国際シンポジウムの形で発信する予定である。

研究実績の概要

本研究は、ムガル帝国、サファヴィー帝国、大清帝国を「近世ユーラシア帝国」と規定して研究対象とし、各々の統合に資した〈軍事力〉の構造や特質およびその変化の動態を相互に比較することで、近年提唱されている〈ポスト・ノマディズム〉帝国論を批判的に継承・発展させ、近世ユーラシア帝国と近代国民国家を架橋し、近代につながる近世の地域統合の実態を解明することを目的とする。
本研究課題の採択決定後、近世ユーラシア帝国の〈軍事力〉に関する比較史的研究をより立体的なものとするため、当初の研究分担者(前田、杉山)と合議の上、中世および古代におけるユーラシア帝国史について専門的知見を有する研究者を、研究分担者(清水、柳谷、山下、伊藤)および研究協力者(舩田善之・広島大学・モンゴル帝国史、鈴木宏節・神戸女子大学・古代トルコ帝国史)に加えて、研究体制の充実を図った。
その上で研究計画に従い、2024年度においては、〈軍事力〉の人的基盤たる軍事エリートについては、(A1) 軍事エリートの類型化と定義、(A2) 軍事エリートの構造・秩序の具体化、(A3)軍事エリートのリクルートと再生産のあり方、(A4) 軍事エリート以外の集団・組織との関係、の四点を共通の検討課題として、4回にわたり定例研究会を実施した。都合8件にわたる研究会での報告の題目等については、研究業績の学会発表の箇所に別記したとおりである。特に第1回研究会では真下(研究代表者)が本研究課題の総合的な方向性を提案し、〈ポスト・ノマディズム〉帝国論の内容や上記4つの検討課題との関係性などについて報告することで、メンバーとともに専門的知見を踏まえた意見交換を行った。
また次年度における実地調査を計画どおりインドにおいて行うことを決定し、中世及び近世における城郭を主たる調査先として選定するなど、具体的な調査計画を立案した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年度においては定例研究会を初年度の計画どおりに実施し、所期の検討課題について、比較史的な知見をすり合わせることができた。これにより、次年度以降に計画している〈軍事力〉の物的基盤たる社会経済的諸要素についての検討課題に資する基盤を構築できた。また研究会での討議を踏まえて、2025年度に実施する実地調査についても、南アジアにおける中世城郭および近世城郭における戦闘とこれを支えた物的基盤にという観点から、調査に有意な問題関心を、メンバー相互に具体的に共有することができた。さらに以上の比較史的な議論を背景として、各自が個別研究を進め、それらの一部は別記のごとく、複数の論考として発表された。

今後の研究の推進方策

研究内容をより立体的な比較史的検討に導くため、今年度当初において、研究分担者・研究協力者を新たに加えたので、今後の研究の推進に資する研究体制の構築はこれ以上の変更は要しない、十分なものであると見込まれる。定期研究会の実施とその内容についても、十分な成果が挙がっているので、上記の研究体制のもと、今年度と同様のやり方で進める予定である。そのうえで2025年度においては、計画通り(B1) 軍事のエコロジー(地理・気候条件と軍事行動、生態環境と軍事行動)、(B2)軍事のロジスティクス(陸上・水上の交通網と人員、軍備、食糧の輸送)、(B3) 人員・軍備・食糧の調達や軍事施設の整備と維持・管理(軍用動物の調達・管理や築城・攻城にかかる技術も含む)の三点を追究するとともに、(C) 〈軍事力〉の人的基盤と物的基盤が相互を規定し影響を与えあった諸相にも検討を加えていく予定である。また海外における実地調査については、2025年度にインドで行う調査の成果を踏まえて、定例研究会での専門的知見をすり合わせた上で、当初計画における2026年度の実地調査(イランでの調査を計画している)の内容を具体化していく予定である。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (27件)

すべて 2025 2024 2015

すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 3件) 学会発表 (13件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] <書評>稲葉穣『イスラームの東・中華の西 --七~八世紀の中央アジアを巡って (京大人文研東方学叢書 13)』臨川書店 2022年 250+xv頁2025

    • 著者名/発表者名
      清水和裕
    • 雑誌名

      イスラーム世界研究

      巻: 18 ページ: 277-282

    • DOI

      10.14989/293745

    • ISSN
      1881-8323
    • 年月日
      2025-03-31
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] アフマド・イブン・ファドル・アッラー・ウマリー著『高貴なる用語の解説』訳注(15)2025

    • 著者名/発表者名
      谷口淳一(監訳);伊藤隆郎, 岡本恵, 近藤真美, 笹原健, 杉山雅樹, 清水和裕, 田中悠子, 辻大地, 柳谷あゆみ, 横内吾郎
    • 雑誌名

      史窓

      巻: 82 ページ: 17-36

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 宋代軍事史研究と「東部ユーラシア」2025

    • 著者名/発表者名
      伊藤一馬
    • 雑誌名

      桜文論叢

      巻: 112 ページ: 67-90

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 近世/近代イスラーム帝国論―『第二のオスマン帝国』の拓く地平2024

    • 著者名/発表者名
      前田弘毅・佐々木紳
    • 雑誌名

      思想

      巻: 2024年第7号(第1203号) ページ: 86-105

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 大清帝国論──ユーラシアの帝国から中国の「清朝」へ2024

    • 著者名/発表者名
      杉山清彦
    • 雑誌名

      思想

      巻: 2024年第7号(第1203号) ページ: 106-121

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 特別講演 武人たちの東アジア近世──八旗と武士──2024

    • 著者名/発表者名
      杉山清彦
    • 雑誌名

      昭和12年研究

      巻: 4 ページ: 23-54

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ザンギー朝とアターベク2024

    • 著者名/発表者名
      柳谷あゆみ
    • 雑誌名

      西南アジア研究

      巻: 98 ページ: 1-21

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ファーティマ朝イマーム一族の廃絶2024

    • 著者名/発表者名
      柳谷あゆみ
    • 雑誌名

      オリエント

      巻: 67-2 ページ: 179-190

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] アブル・ファズル著『アーイーニ・アクバリー』訳注(3)2015

    • 著者名/発表者名
      二宮文子、真下裕之、和田郁子
    • 雑誌名

      神戸大学文学部紀要

      巻: 42 ページ: 113-151

    • DOI

      10.24546/81008780

    • NAID

      110009893366

    • ISSN
      0288-5808
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 地中海型奴隷制度論におけるアッバース朝グラーム集団2025

    • 著者名/発表者名
      清水和裕
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第4回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 唐代"羈縻州"研究の現在ー"羈縻州"は羈縻州ではなかった?2025

    • 著者名/発表者名
      山下将司
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第4回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 「東部ユーラシア」の現在と「宋代中国」2025

    • 著者名/発表者名
      伊藤一馬
    • 学会等名
      同志社大学地域文化学会・海域アジア史研究会共催講演会「「ユーラシア東部」とは何か?―初期グローバル化の世界史の観点から―」
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] J. ホマンスの「ポスト・ノマディズム」論について2024

    • 著者名/発表者名
      真下裕之
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第1回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] バーキー・テズジャン『第二のオスマン帝国―近世政治進化論』の拓く地平2024

    • 著者名/発表者名
      前田弘毅
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第1回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 耳に響く支配者:5-6/11-12世紀シリア諸都市におけるシアール2024

    • 著者名/発表者名
      柳谷あゆみ
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第2回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 北宋西北地域における軍事力の運用をめぐって:人的基盤と物的基盤2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤一馬
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第2回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 帝国の覇権と政治中心の移動:ウイグルからモンゴルまで2024

    • 著者名/発表者名
      舩田善之
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第3回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 「ユーラシアの武人」研究のための覚書――「ユーラシア・スタンダード」はあるか2024

    • 著者名/発表者名
      杉山清彦
    • 学会等名
      科研費・基盤研究(B)「近世ユーラシアにおける帝国統合と〈軍事力〉の比較史的研究」2024年度第3回定例研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] Georgian Statehood and the Age of Empires: Towards the 400 anniversaries of the Battle of Martqopi2024

    • 著者名/発表者名
      Hirotake Maeda
    • 学会等名
      The 4th International Kartvelological Congress, Co-chair with Acad. Roin Metreveli, Plenary Meeting, Georgian Academy of Sciences, Tbilisi. 25-28 September 2024
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 12世紀後半における対ファランジュ(フランク)聖戦呼びかけ:マシュリク-マグリブ間交流の考察2024

    • 著者名/発表者名
      柳谷あゆみ
    • 学会等名
      アラビア語文化圏科研研究会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 北宋西兵軍団の形成と展開2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤一馬
    • 学会等名
      2024年度宋代史研究会夏合宿
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 石窟題記銘文から見る北宋西北地域の蕃部2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤一馬
    • 学会等名
      2024年度広島史学研究会大会・東洋史部会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] イスラームからつなぐ5 権力とネットワーク(真下裕之「ムガル帝国における人的統合:マンサブ制度の人事と俸給」pp. 195-217を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      近藤信彰編
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130343558
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] Asia rising: A handbook of history and international relations in East, South and Southeast Asia(Hiroyuki Mashita, `India and the land and sea networks surrounding it', pp. 14-17を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      Ryo Sahashi, Yasuhiro Matsuda & Waka Aoyama (eds.)
    • 総ページ数
      314
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      9789819743742
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] 第二のオスマン帝国:近世政治進化論2024

    • 著者名/発表者名
      バーキー・テズジャン著、前田弘毅・佐々木紳訳
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      山川出版社
    • ISBN
      9784634672567
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] 世界の食生活:人類学の視点から紐解く食習慣と食文化(前田弘毅「国民文化としてのジョージア(グルジア)のクヴェヴリ・ワイン」pp. 73-78を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      野林厚志編
    • 総ページ数
      104
    • 出版者
      医歯薬出版
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] 複合国家から読み解く世界史 「国民国家史観」再考(杉山清彦「大清帝国──ユーラシア東部の複合国家」pp.167-178を分担執筆)2024

    • 著者名/発表者名
      岩井淳編
    • 総ページ数
      247
    • 出版者
      山川出版社
    • ISBN
      9784634672642
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-11   更新日: 2025-12-26  

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