研究課題
基盤研究(B)
本研究は、古代カンボジアにおける瓦生産に焦点をあて、碑刻文にはあらわれない生産体制の実証的解明を目的とする。調査対象は、10世紀前半の王都であるコー・ケー遺跡群であり、窯跡遺跡、王宮・寺院区の建築遺構とそこからの出土資料に基づき、生産地研究と消費地研究、考古学研究と建築史学研究を統合して、瓦を中心とした建築生産体制の復元を目指す。考古学的分析(型式学的分析、技法復元、組成分析)と建築史学での瓦葺き法復元、文様分析、生産体制の復元等を統合し、生産の規模、製品の特徴と技術的系譜、工人集団の移動や寺院での瓦葺きや葺き替え等を解明し、古代カンボジアにおける瓦の生産=消費モデルを構築する。