研究課題
基盤研究(B)
本研究では,森林における福島事故由来の放射性セシウム(Cs)の地理学的分布特性を解明するために,森林内の水・有機物による実際の物質循環速度を実装した新たな森林放射能動態予測モデルを開発する。帰宅困難区域を含む福島県内の長期モニタリングサイトでの水文観測と放射性Cs測定により,森林樹冠や土層中の水・有機物の移動速度や生物地球化学的物質循環速度と放射性Cs移行の関係を解明し,動態予測モデルに組み込む。また,福島のほかチョルノービリ事故の影響を受けた森林の既存の広域データと立地条件をGISに統合し,放射性Cs移行係数の時空間分析を行うことにより,森林放射能動態の地域差の地理学的要因を明らかにする。