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外国にルーツのある子どもの成育環境と健康被害に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24K00178
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分04020:人文地理学関連
研究機関茨城キリスト教大学

研究代表者

岩間 信之  茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90458240)

研究分担者 浅川 達人  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40270665)
田中 耕市  青山学院大学, 経済学部, 教授 (20372716)
佐々木 緑  広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (70401304)
駒木 伸比古  愛知大学, 地域政策学部, 教授 (60601044)
池田 真志  拓殖大学, 商学部, 教授 (70555101)
今井 具子  同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (00393166)
中島 美那子  茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (60571289)
貝沼 恵美  立正大学, 地球環境科学部, 教授 (80633495)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2029-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2028年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード外国にルーツのある子ども / 健康問題 / 未就学児 / 成育環境 / アンケート調査 / 外国人散在地域 / 生育環境 / 健康被害 / 外国人散在地域と集住地域 / 地域格差
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は,外国にルーツのある子どもたちに着目し,成育環境が子どもの健康に及ぼす影響を地理学視点から分析することにある。具体的には,調査地域を複数設定し[外国人集住地域/散在地域,高度外国人材/非熟練労動者が多い地域],地域別に現地調査と3歳児健診の個票データの解析を行う。健康被害を誘発する要因は地域ごとに異なると考えられる。たとえば外国人散在地域では,地域や同胞からの支援不足が,子どもの健康に悪影響を及ぼしている。外国人集住地域や高度外国人材が多い地域では,別の要因が効いていると予想される。こうした地理的要因を明らかにすることで,外国にルーツのある子どもたちの成育環境の改善が期待される。

研究実績の概要

本研究の目的は,外国にルーツのある子どもたちに着目し,成育環境が子どもの健康に及ぼす影響を地理学視点から分析することにある。具体的には,調査対象地域を複数設定した上で(外国人集住地域/散在地域,高度外国人材/非熟練労動者が多い地域),地域別に次の調査を行う。①3歳児健診データ(個票・非識別加工済)を用いた,子どもの成育環境と健康状態の定量的解析。②住民アンケートによる,外国人世帯の生活実態および子どもの成育環境の定性的把握。
2024年度は,茨城県日立市で調査を実施した。日立市は外国人散在地域に該当し,製造業等で働くエンジニア(高度外国人材)の割合が高い点が特徴である。
3歳児健診データを用いた調査は,2023年に実施済みである。この調査から,社会統合度が低い外国人住民の子どもたちは,日本人世帯の子どもたちよりも,う蝕(虫歯)や各種の疾病といった健康問題,および発達上の問題を抱える割合が高いことが明らかとなっている。しかし,健診データの記載情報には限りがあるため,健康問題を誘引する具体的な要因までは分からない。
そこで,上記を補足するために外国人住民を対象としたアンケート調査およびインタビュー調査を実施した。得られた知見は次のとおりである。日立市にはアジア系を中心とした20~30代の外国人労働者が多く,彼ら・彼女らの社会的統合度は多様であった。未就学児を育てる外国人住民も一定数存在した。統合度が低い世帯には,家族や同胞,地域住民から子育て支援を受けられない家族が多かった。こうした家族において,子どもの健康や発達面での問題が顕著であった。親の日本語力に難があると,幼稚園とのコミュニケーション不足を招きやすい。その結果,子どもの問題発見が遅れ,保健センターなどの専門機関から支援を受ける機会が失われる。こうしたことが,子どもたちの健康・発達被害を助長していると推測される。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

調査は順調に進んでいる。進捗状況の詳細は次のとおりである。アンケートは日立市文化・国際課と共同で実施した。アンケートはQRコードを用いた無記名のオンライン方式とし,日本語,やさしい日本語,英語,中国語,ベトナム語で調査依頼書とアンケート回答フォームを作成した。なお,事前に研究内容および個人情報の保護に関する手順を茨城キリスト教大学倫理審査委員会に提出し,承認を得た上で調査を開始した。
アンケート票は,市内の全ての幼稚園・保育所,日本語学校,地域日本語教室,大学・大学院,市内に拠点を置く大手製造業メーカーに配布した。また,商工会議所を介して,外国人労働者を雇用している中小企業にも調査票を配布した。さらに,日立市で主流を占める中国人,フィリピン人およびインド人コミュティにも,調査票の一斉配布を依頼した。調査は2024年8月に実施し,126世帯281人(回答者本人および配偶者182名,回答者の子ども79名,親族または知人20名)から回答を得た(2025年11月に回収完了)。外国人住民は流動性が高く,かつ地域との結びつきも弱いため,高い回収率の確保は困難である。
上記のアンケート調査から,社会的統合度,および教育・保育施設・行政からの支援の受けやすさという2つの指標が,未就学児の成育環境に大きな影響を及ぼすことが示唆された。そこで,2つの指標をもとに保護者を4分類し,それぞれ代表的なサンプルを複数ずつ抽出して半構造化インタビュー調査を実施した。いずれも未就学児を現在育てている市内在住の外国人家庭である。同調査は,2024年11月から2025年2月にかけて実施した(2025年3月に調査完了)。
2つの調査の終了後に,研究結果を分析して論文執筆を開始した(2025年4月に初校執筆完了)。現在は,初校の内容を市役所が確認している。市役所から了承が得られ次第,学術雑誌に投稿する予定である。

今後の研究の推進方策

2025年度は,茨城県小美玉市で調査を実施する計画である。小美玉市は,非熟練労働者(技能実習生など)の割合が高い外国人散在地域に該当する。なお,同市の外国人住民数は右肩上がりに増加している。同市でも,日立市と同様に,3歳児健診データの入手・分析および外国人住民へのアンケート調査を実施する。3歳児健診データの分析については,小美玉市から非識別化加工済み3歳児健診データの使用許可を取得済みである。現在は,同市と共同で,茨城キリスト教大学倫理審査委員会に審査を申請中である(2025年4月申請)。本年6月に承認が得られた場合,調査を開始する。また,外国人アンケート調査についても,小美玉市教育委員会から調査協力の内諾を得ている。現在は,調査内容や手順を検討している段階である。調査内容が整い次第,こちらも倫理審査委員会に諮る(2025年7月の申請を想定)。承認が得られ次第(2025年9月を想定),調査を開始する。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-11   更新日: 2025-12-26  

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