| 研究課題/領域番号 |
24K00193
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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| 研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
宮岡 真央子 福岡大学, 人文学部, 教授 (70435113)
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| 研究分担者 |
野林 厚志 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (10290925)
田本 はる菜 成城大学, 文芸学部, 専任講師 (20823800)
松岡 格 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (40598413)
岡田 紅理子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 講師 (70802502)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2027年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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| キーワード | 台湾 / 先住民族 / アーカイブ / 権威主義体制 / 物質文化 / キリスト教 / 土地制度 / 現代史 / 原住民族 / 権威主義体制期 / エスニシティ |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、権威主義体制期の台湾において、原住民族社会がいかなる社会変化を経験し、その社会変化の場において他のアクターとどのような交渉をおこなってきたのかを、各種アーカイブの調査とフィールドワークにより具体的に解明する。あわせて、その歴史経験と原住民運動との相関性についても明らかにする。そしてこの成果を、先住民族の現代史を主題とした人類学的研究のモデルとして提示する。
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| 研究実績の概要 |
全体の活動として国内研究会を2回実施した。7月の研究会では全体の研究課題と計画を確認し、個別の研究発表を行った。3月の研究会では初年度の活動と次年度以降の計画について各自報告し討議した。 個別の活動として、宮岡は次年度以降実施予定のオーラルヒストリー調査に向けた予備調査を中部山地のタイヤル村落で実施した。また台湾原住民族の歴史的事件の記憶に関して文献調査と屏東県パイワン村落での調査を実施し、国際学術集会で発表した。野林は所属する国立民族学博物館が収蔵している資料の渉猟と再検証を行い、本研究が対象とする権威主義体制期における原住民族社会の民族誌資料を精査した。特に篠田統氏と佐々木高明氏のアーカイブにおいて、原住民族の居住地域における生活環境の変化を分析し、検証可能な資料を確認することができた。田本は原住民族の工芸師林喜美氏(南投県セデック)、彭秋玉氏(宜蘭県タイヤル)、宗貞嫻(桃園県タイヤル)および鄭光博氏(国立政治大学)と共同で、国内博物館での服飾資料調査を実施し、計測や紋様の分析などを行った。この共同調査により一部の資料について文字記録には残されていない収集の脈絡や収集品の位置づけについて新たな知見を得ることができた。松岡は主に他地域の先住民の土地制度や保留地について文献調査を進めた。これを通して、台湾原住民の歴史を知る上でアメリカ先住民の経験やそれに対する土地政策を理解することの重要性が明らかになりつつある。岡田は都市に移住したアミの信者が所属する長老教会系の小会において参与観察を実施した。その結果、文化多元主義を指向する教役者(牧師)の意向により、特定のエスニシティに特化しない運営が行われる小会の存在が明らかになった。研究協力者森口恒一はブヌン語における一般的な「接辞」と「倚辞」の規則から離れたブヌン語の両者の用法を考察し一般言語学的な解釈を加え、論文にまとめた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
各自の研究課題に基づき、予備調査を実施した。これにより次年度以降の調査計画の見通しを得ることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
各自が調査を実施するとともに、国内機関等での共同調査も実施する。また年2回程度の研究会によって問題意識を共有し、調査計画や方法の妥当性等を検討する。 本年度予備調査により、国内機関収蔵の台湾原住民族資料について収集史の観点からの調査の必要性を認識したため、その担当として角南聡一郎が研究分担者に加わり、1960-70年代の日本人による調査研究史の調査を実施する。また、都市原住民族調査のため、益田喜和子が研究協力者として加わる。そのほか宮岡は知識人のオーラルヒストリー調査を実施し、1960-70年代の生活経験と思想の変遷との相関性について検討を進める。野林は従前の篠田アーカイブ、佐々木アーカイブの精査を進めるとともに、当時の生活環境の状況を台湾側の新聞や雑誌のメディアを中心に明らかにし、原住民族の生活の変化や維持されていく状況を明らかにしていく。田本は国内外の博物館での服飾品調査を継続するとともに、とくに1950年代以降の原住民族の服飾品の種類や特徴、変化のバリエーションについて現地の工芸師の協力を仰ぎながら情報収集する。また昨年度までに実施した1960~1980年代の織物図案に関する調査成果の論文公開を目指す。松岡は引き続きアメリカ先住民の経験やそれに対する土地政策についての理解を深めるための調査研究を継続し、台湾原住民の保留地政策との関係について比較検討する。岡田は長老教会がエスニシティの相違を排し「同じキリスト者」というアイデンティティを強調してきた経緯をふまえ、複数の小会において参与観察を実施し、そこに集うアミによる小会に対する理解や運営のあり方を検討する。これにより、教会内部の実相を把握し、原住民族運動以来の長老教会の牧会的関心の変遷を整理する。森口は既発表の論文をもとに台湾・フィリピングループの言語の特徴と日本各地の方言とを検討し、方言の「混成言語」性を追及する。
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