| 研究課題/領域番号 |
24K00203
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
小区分05060:民事法学関連
合同審査対象区分:小区分05040:社会法学関連、小区分05060:民事法学関連
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| 研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
土田 和博 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60163820)
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| 研究分担者 |
若林 亜理砂 駒澤大学, 法曹養成研究科, 教授 (00298069)
武田 邦宣 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (00305674)
長谷河 亜希子 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00431429)
渕川 和彦 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (00711227)
高木 浩光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10262958)
洪 淳康 金沢大学, 法学系, 教授 (10554462)
伊永 大輔 東北大学, 法学研究科, 教授 (10610537)
中里 浩 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (10965487)
林 秀弥 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (30364037)
小向 太郎 中央大学, 国際情報学部, 教授 (30780316)
小田切 宏之 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (40114053)
成原 慧 九州大学, 法学研究院, 准教授 (40647715)
舟田 正之 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (60062676)
青柳 由香 法政大学, 法学部, 教授 (60548155)
東條 吉純 立教大学, 法学部, 教授 (70277739)
川島 富士雄 神戸大学, 法学研究科, 教授 (80234061)
瀬領 真悟 同志社大学, 法学部, 教授 (90192624)
柴田 潤子 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90294743)
渡邉 昭成 国士舘大学, 法学部, 教授 (90329061)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2027年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2026年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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| キーワード | デジタル経済 / デジタルプラットフォーム / 競争法 / 共同規制 / 事前規制 / AI規制 / AI / 独占禁止法 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、①競争法、②共同規制、③事前規制、④AI規制という視角から、ドミナントなDPに対する規律のあり方と、生成AIを中心としたデジタル技術の発展に法はいかに対応すべきかを検討することを目的とするものである。 より具体的には、競争法(独占禁止法制)や共同規制(取引透明化法、EUのP2B規則等)の有効性と限界、事前規制の可能性(EUのデジタル市場法、英国のSMS規制法案、ドイツ競争制限禁止法の第10次改正等)、AI規制の行方(EUのAI規則案等)という視角から、デジタルプラットフォームと生成AIをはじめとする人工知能に対する規律のあり方を検討するものである。
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| 研究実績の概要 |
初年度である2024年度の研究会は、以下のように実施した。 ①6月1日、自己紹介と研究計画、②7月27日、岩成博夫(公正取引委員会)「スマホソフトウェア競争促進法について」、③9月14日、渡辺昭成(国士館大学)「英国デジタル市場競争消費者法について」、④11月30日、東條吉純(立教大学) 「Google事件米国連邦地裁判決(2024.8.5)について」、⑤2025年1月25日、中島菜子(公正取引委員会)「デジタル分野における事件審査について」、⑥2月22日、土田和博(早稲田大学)「Epic Games v. Apple, 2023 WL 3050076 (9th Cir. April 24, 2023)について」、瀬領真悟(同志社大学)「Amazon Buybox CASE AT.40462について」、⑦3月15日、柴田潤子(神戸大学)「ドイツ・フェイスブック事件BGH、Facebook先決裁定(EU)について」、若林亜理砂(駒澤大学)「Microsoft/Activision Blizzard-CMA決定について」。 上記の研究会に加えて、2024年度には、研究代表者と分担者が、日本経済法学会2024年度大会「デジタル経済と新たな規制の展開」(10月12日、於早稲田大学)において、次のようなテーマで学会報告を行った。土田和博「デジタル経済と新たな規制の展開」、瀬領真悟「共同規制の現状と課題」、伊永大輔「デジタル市場における事前規制」、渕川和彦「AIアルゴリズムの活用とその競争法上の規制」。そのほか研究協力者である、Ariel Ezrachi(オックスフォード大学)「『介入すべきか否か、それが問題だ』―生成AIの競争への影響の検討」、Giorgio Monti(ティルブルフ大学)「EUデジタル市場法―目的・運用・機会」のコメントも行われた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デジタルプラットフォーム(DPという)や生成AI等の人工知能は、私達の生活の利便性を高め、利用事業者の取引機会を拡大し、学習や仕事の効率性を飛躍的に高めるなど現代社会に多大な便益をもたらす一方、プライバシー侵害のおそれ、利用事業者のプラットフォームへの依存・従属や、偽・誤情報の拡散、雇用への影響、格差の更なる拡大等も懸念されている。こうした問題に、法はどのように対応すべきであろうか。 本研究は、主に経済法と情報法の観点から、このような課題を検討することを目的とする。より具体的に本研究が取り組むべき課題は、DPの優れた技術革新の芽を摘むことなく、DPの生み出す問題・弊害を、競争法(日本の独占禁止法、米国の反トラスト法、EUの競争法、中国の反壟断法、韓国の独占規制法等)は、どのように解決することができるか、現在の競争法に一定の限界があるとすれば、いかなる対策を経済法は取ることができるか、大規模言語モデル(LLM)による生成AIの急速な発展と懸念に対して、特に情報法はどのように応答すべきかというものである こうした目的と解明すべき課題に対して、初年度である2024年度には、当初の計画どおり、DPが提起する問題を改めて整理し、これに日本の独占禁止法、外国の競争法がどの程度有効に対処し得てきたか、困難な面があるとすれば、それは何故かを検討することから始めた。その結果、競争法の限界については、研究代表者が2024年度に日本経済法学会年報45号に「デジタル経済と新たな規制の展開-競争法・独禁法の困難と有効性-」と題する論文を執筆するとともに、同名の学会報告を行った。また、公正取引委員会のデジタル分野の事件審査に当たる担当者から、同分野における独禁法執行の困難について直接に報告を受け、質疑応答を行うことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
初年度の研究により明らかになったように、DPの提起する問題に対して競争法に一定の困難や限界があること(行為要件、効果要件ともにデジタル分野においては、要件該当性の判断が困難であり、またその判断に著しく長期間を要すること)が否めないとすると、次に考えられる法的対応は、共同規制(国家が規律の大枠を定めながら事業者の自主的な取組を尊重するという規制枠組み)の可能性である。現に日本では「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(令和2年法律第38号、取引透明化法)、EUでは「オンライン仲介サービス利用事業者のための公正性と透明性の促進に関する規則」(2019年、P2B規則)が制定され、運用されている。ただし、取引透明化法もP2B規則も、DPの取引条件の開示義務、苦情紛争処理の手続と体制の整備を定めることにより、DPの上記のような問題の一部について自主規制を促すにとどまる(取引透明化法は、これに経済産業省におけるモニタリングリビューや勧告制度が加わり、P2B規則は調停、団体訴訟についても定める)。 2025年度は、共同規制とは何か、それが有効に働く条件はいかなるものか、これに関係するとされるアジャイルガバナンスとは、どのような思想で、いかなる条件が整えば機動的で柔軟なガバナンスといえるか等の基礎理論的な問題のほか、取引透明化法やP2B規則の運用状況を共同規制の有効性と限界の観点から検討する。そのため取引透明化法の対象であるオンラインモール、アプリストア、デジタル広告の関係者にインタビューを行うと共に、P2B規則については欧州委員会やドイツ等のEU加盟国、事業者団体、弁護士事務所等への調査を行いたい。
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