| 研究課題/領域番号 |
24K00216
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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| 研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
品田 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10226136)
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| 研究分担者 |
大西 裕 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90254375)
藤村 直史 神戸大学, 法学研究科, 教授 (20551493)
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
鹿毛 利枝子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10362807)
濱本 真輔 大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (20625850)
朴 志善 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (80845610)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2027年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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| キーワード | 無投票当選 / 選挙アカウンタビリティ / 民主主義 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究の問いは、無投票当選が政治家や有権者の意識や行動にどのような影響を与え、中長期的に民主主義=選挙アカウンタビリティの機能不全をもたらすかにある。 テキスト、調査、実験、観察データにより、以下の仮説について実証的に分析する。 A1:無投票当選議員は、有権者の利益を代表する程度が低くなる。A2:無投票当選議員は、有権者に向けた働きかけや応答性が低下する。B1:無投票を経験した有権者は、政治的有効性感覚・民主主義への満足度が低下する。B2:無投票を経験した有権者は、投票参加などの政治関与度が低くなる。 無投票当選の影響を実証的に解明することは、民主主義の機能不全に対する解決策検討に役立つ。
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、無投票当選が政治家や有権者の意識や行動にどのような影響を与え、中長期的に民主主義=選挙アカウンタビリティの機能不全をもたらすかを明らかにすることである。具体的には、無投票を経験した後の①議員の代表性、②議員の応答性、③有権者の政治意識(政治的有効性感覚・民主主義への満足度)、④有権者の政治関与度(投票参加など)の4つに関し影響を検討する。研究計画の初年度である2024年度は、まず、先行研究を整理し、理論面で仮説構築を行うととともに、次年度以降の実証分析に備え、必要なデータを集めることとした。 初年度に取り組む理論構築にはメンバー全員で取り組んだが、次年度以降の実証分析を念頭に、①議員の代表性、②議員の応答性、③有権者の政治意識、④有権者の投票参加の各チームに分かれ、主に①については朴・濱本・藤村、②については大西・砂原、③については鹿毛・品田、④については砂原・藤村・品田が研究を進めた。研究は基本的に個人のペースで進められたが、個々の研究間の調整と相互理解に努めた。 計画前半には、データの収集加工は重要な作業である。具体的には、基礎的な各種選挙(特に都道府県議会議員選挙)に関するアグリデータや選挙公約などのテキストの収集加工を精力的に進めた。また、サーベイデータによる実験に備え検討を行った。これらの作業は、代表者の所属する神戸大学を主に進められた。 現時点では、当初の想定通り、無投票当選の効果として、①無投票当選した議員は、有権者の選好・利益を理解せず、代表する程度が低くなる、②無投票当選した議員は、有権者へ働きかけが減り、要求に対し応答性が低くなる、③無投票を経験した有権者は、政治的有効性感覚・民主主義への満足度が低下する、④無投票を経験した有権者は、投票参加など政治に関与しようとする程度が低くなると予測し、実証のための操作化を進めつつある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、無投票当選が政治家や有権者の意識や行動にどのような影響を与え、中長期的に民主主義=選挙アカウンタビリティの機能不全をもたらすかを明らかにすることである。具体的には、無投票を経験した後の①議員の代表性、②議員の応答性、③有権者の政治意識(政治的有効性感覚・民主主義への満足度)、④有権者の政治関与度(投票参加など)の4つに関し影響を検討する。研究計画の初年度である2024年度は、まず、先行研究を整理し、理論面で仮説構築を行うととともに、次年度以降の実証分析に備え、必要なデータを集めることとした。 理論的検討に関しては、その成果は既に一部の公表された業績にも反映されている。また、政治家の行動や意識、有権者の政治意識についても、各研究者がこれまでに進めてきた研究関心の延長線上を主に、分析が進むなど、相応の進捗をみている。濱本は、現代日本の政治的不平等、藤村は有権者の態度に関し、従来の研究活動を活かし、実証的にその知見を提示した。鹿毛は、自らの研究関心にそって政治家の意識を精力的に分析し、朴は議員に注目しつつ、執行部や与党間の関係にまで視野を広げ議会内外での議員行動を明らかにした。これらの成果は多くの学会で口頭報告され、文字媒体での発表も進行している。 データの収集加工に関しては、基礎的な各種選挙(特に都道府県議会選挙)に関するアグリデータや選挙公約などのテキストデータの収集加工を精力的に進めた。また、サーベイデータによる実験に備え、検討を行った。総選挙のタイミングのため、質問票の確定やパイロット調査が時間的に行うことができなかったが、部分的には他の調査に相乗りする形で予備的に調査も行うなど、次年度の本格調査に向けて準備を行った。都道府県議会選挙に関しては無投票当選に係るデータは、選挙区に関する設定を残し、ほぼ完成した。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後についても、基本的には当初の研究計画通りに進める予定である。無投票当選が政治家や有権者にどのような影響を与え、中長期的に民主主義の機能不全をもたらすかという点を解明するため、無投票を経験した後の①議員の代表性、②議員の応答性、③有権者の政治意識、④有権者の政治関与度の4つの面を検討する。代表者の総括の下、4つの論点に関し、二人以上の分担研究者が主となって、それぞれ研究活動を進める。 特に二年目となる2025年度には実証分析に取り掛かる。ただし、本年度も前年度につづき、理論構築およびデータの収集・加工について継続的に行う。理論構築に関しては、特にメンバー間の議論を進め、相互理解の徹底に努める。 実証分析に関しては、理論的予測を検証する試案として以下のように考えている。上記①については、議会発言等のテキスト分析を行うとともに、地方議員を対象にした調査により、選挙区の利益に関連した政策に賛同する程度の比較分析を行う。②に関しては、議員調査による分析に加え、フィールド実験(例えば、選挙区個別の利益と都道府県全体の利益の2タイプに関し、メールを議員に送り、返信の程度を測定する)ができないか、検討を進める。③については、2025年度中に有権者向けの意識調査を実施したい。また、その後、コンジョイント実験やリスト実験で、無投票経験により政治意識が変容するか検証する。④については、投票率のデータを用い、無投票当選が発生した選挙区における、その後の投票率の推移を検証する。市町村を分析単位とする複数年度からなるパネルデータの作成分析も視野に入れる。 なお、研究成果は、随時、ワーキングペーパーとして執筆し、中間報告を進めていく予定である。分析で得られた知見については、学内外で発表し、特に分析データと手法について、その妥当性に関し意見を求めることとしたい。
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