| 研究課題/領域番号 |
24K00265
|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
|
| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瀧井 克也 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 教授 (70346138)
|
| 研究分担者 |
小嶋 健太 関西大学, 経済学部, 准教授 (00634247)
中村 文香 大阪大学, 大学院経済学研究科, 招へい研究員 (00906852)
BRAGUINSKY SERGUEY 大阪大学, 社会経済研究所, 特任教授(常勤) (40868436)
柏原 宏紀 関西大学, 経済学部, 教授 (50758191)
高槻 泰郎 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (70583798)
新居 理有 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (70590462)
佐野 晋平 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (80452481)
山崎 潤一 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (80800606)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2029-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2028年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2027年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
| キーワード | 人材配置 / 選抜 / 人的資本 / 大学 / 雇用 |
| 研究開始時の研究の概要 |
明治以降長年かけて出来上がった日本型選抜システムの長所と短所の理解を深めるために、本プロジェクトは長期効果の分析可能なデータを用いて、大学入試・就活等の日本の選抜構造が果たしている役割と問題点を定量的に分析する。具体的には、(ア)大学入試を通じた選抜、(イ)雇用を通じた選抜、(ウ)日本型選抜制度の起源という3つのテーマに対し、適切な手法を組み合わせながら定量分析する。
|
| 研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、日本型選抜制度に関連する定量的分析を行った。今年度の成果としては次のようなものがある。 まず、北野・瀧井・中嶋・森が医学部の入試市場を均衡モデルで分析し、女性は男性よりも高い移動コストを負担していることを示した。政策シミュレーションにより、女性限定に女性が追加的に負担している距離に対する補助を与えるならば、女子学生比率が増え予算的にも可能なものであることが確認された。私たちは結果を人材配置の経済学カンファレンス、東京大社会経済研究所・東北大政策デザイン研究センター、関西学院大産業組織研究会、一橋大ミニセミナーで発表した。 次に、瀧井・森は合格判定ラベルが学生の出願行動に与える影響をRDDで分析し、より細かな情報があるにもかかわらず、学生は粗い判定ラベルが学校選択の意思決定に大きく作用していることを明らかにした。注意力を考慮した構造推計では、得点が低い学生や地方の学生ほど情報を正確に把握していないことが明らかとなった。私たちは結果を人材配置の経済学カンファレンスで発表した。 次に、瀧井・中村がMTEを用いて初職の正社員経験が将来の雇用に与える効果の異質性を分析し、正社員になれる可能性が低い層で大きな効果がある一方、正社員になれる可能性の高い層では効果がないことを示した。私たちは結果をNakamura and Takii (2024)として公表すると同時に人材配置の経済学カンファレンスや横浜国立大学の近代経済学セミナー等で発表した。 Nakamura, Ayaka and Katsuya Takii (2024), “The Effect of Initial Job in Japanese Labor Market”, OSIPP Discussion Paper: DP-2024-E-007, Osaka University, November, 2024.
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本プロジェクトにおいては、大学入試を通じた選抜、雇用を通じた選抜、日本型選抜制度の起源という3つのテーマを定量的に分析し、日本型選抜システムの長所と短所の理解の深化に役立てることを目的としている。成果に至らなかったものの、本年度は次のようなプロジェクトの進展が見られた。 大学入試を通じた選抜:第一に、中村・佐野・瀧井が、大学教育への需要の変化に対して国公立と私立の志願者数や偏差値にどのような影響を与えているのかを分析するためのデータ整備を行った。第二に、瀧井・新居が、大学需要の変化に対する大学の対応について構造推計の分析を開始した。構造推計の基礎モデルとそのためのデータセットを使い、予備分析として構造モデルが予想する推計モデルを近似した回帰モデルを作り、国公立・私立大学の定員の分布の変化が、どのように新卒市場における産業別就職者数に影響を与えるかを分析した。理論が予測する結果を得るには至らず、現在も検討を重ねている段階である。 雇用を通じた選抜:瀧井・新居・小嶋はijampと時評社のデータを使用し、日本の官僚・政治家・地方公務員の人事データについて整備を進める中で、生成AIの活用方法を検討し、作業の効率化を行ってきた。瀧井・小嶋は国交省のデータを使ってjob valueを計算する論文をより正確なものに仕上げるためのデータ整備を継続して行っている。 日本型選抜制度の起源: ①近世の選抜制度、②近代選抜制度の発展の二つの分析を行う。①については、高槻・山崎・瀧井が、江戸幕府のキャリアデータである「柳営補任」の分析を開始した。②については、 瀧井とBraguinskyが「幕末・明治 海外渡航者総覧」の電子化を行い、今後の分析についての議論を始めた。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今年度は、3つのテーマごとに次のような計画を立てている。 大学入試を通じた選抜:大学教育への需要の変化が国公立と私立の志願者数や偏差値に与える影響について、中村・佐野・瀧井が分析を開始する。瀧井・新居は、構造モデルが予想する推計モデルを近似した回帰モデル分析において、現在直面している問題を解決し、大学需要の変化に対する大学の対応について構造推計の分析を進める。瀧井・森、瀧井・北野・中嶋・森は、本年度得られた結果をワーキングペーパーにまとめるとともに、海外雑誌に投稿を始める。最後に大学偏差値・志願者数・定員数等のデータを公開可能な形にするため、整備を進めている。 雇用を通じた選抜:瀧井・中村はワーキングペーパーの内容をより精緻なものにし、海外雑誌への出版を試みる。瀧井・小嶋は国交省のデータを使ってjob valueを計算する論文の再投稿を急ぐ。瀧井・岡澤は政治家の雇用を分析するために開始した消費税に対する選挙民の意識調査の論文の再投稿を急ぐ。瀧井・新居・小嶋はijampと時評社のデータを使って整備した日本の官僚・政治家・地方公務員のデータを学歴データとマッチさせ、学歴効果の分析を行う。さらに、日本の官僚のデータを用いながら、天下り規制等を通じてなされた官僚の滞留の変動を使って、日本の官僚のキャリアの組織特殊熟練への役割を分析する。 日本の官僚・政治家・地方公務員のデータの公開を目指し、データ整備を急ぐ。 日本型選抜制度の起源:高槻・山崎・瀧井は、高槻・山崎・瀧井が、江戸幕府のキャリアデータである「柳営補任」の分析をワーキングペーパーにまとめる。瀧井とBraguinskyが「幕末・明治 海外渡航者総覧」の分析の方向性を確定させる。瀧井・小嶋・柏原は明治期の官僚の熟練の推計についての検討を進める。
|