| 研究課題/領域番号 |
24K00320
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分08010:社会学関連
小区分80030:ジェンダー関連
合同審査対象区分:小区分80030:ジェンダー関連、小区分08010:社会学関連
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| 研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
後藤 範章 日本大学, 文理学部, 教授 (70205607)
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| 研究分担者 |
後藤 一樹 千葉商科大学, 政策情報学部, 准教授 (40845872)
小山 弘美 関東学院大学, 社会学部, 教授 (00732801)
鈴木 彩加 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20779590)
富永 京子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70750008)
松橋 達矢 日本大学, 文理学部, 教授 (50546265)
吉村 さやか 日本大学, 文理学部, 助手 (80961606)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2026年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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| キーワード | ミュニシパリズム / 地域主権/草の根民主主義 / 市民・住民運動 / ナラティブズ / フェミナイゼーション / ケアリング / エンパワメント / 映像(ビジュアル)社会学 / 映像フィールドワーク / 社会学的映像モノグラフ / 市民・住民のエンパワーメント |
| 研究開始時の研究の概要 |
住民自治の実質・実効化を推進する首長と協働してミュニシパリズム(地域主権主義)/草の根民主主義を目指す女性中心の住民・市民運動が、東京都杉並・世田谷の両区で地続きに起こり、成果が着実に積み重ねられている。本研究は、運動と政治の両面でのフェミナイゼーションをもたらし、エンパワーする住民・市民が幾重にも連鎖し合って住民自治の社会基盤を形成していく社会的プロセスを映像モノグラフで再現(再構成)/検証しつつ、そのメカニズムと社会学的効果を解明することを目的とする。本研究で扱うのは、日本社会にミュニシパリズムが根付いていくのか、今後どのように展開していくのかを探る上でのモデルケースである。
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| 研究実績の概要 |
研究初年度の2024年度は、杉並区でミュニシパリズム・ムーブメントを推進している担い手や関係者を対象とするインタビュー調査(映像ナラティブ・インタビュー)を集中的に実施し、研究代表者・分担者・協力者間で録画・録音データの共有化を図った。 2022年4月に岸本区長を誕生させ、2023年6月にパリテを実現させた、岸本氏を含む主要メンバーを対象として、1人平均約2時間を費やし、個々人の了解を得て全てを録画・録音した。岸本聡子氏は勿論のこと、岸本氏のブレーンであり区長選挙で岸本選対本部長を務めたUS氏、岸本区長誕生の舞台裏を描いたドキュメンタリー「映画 ○月○日、区長になる女。」(第79回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞)の監督・PM氏、杉並の女性市民運動のレジェンドと呼ばれるOT氏・KK氏・TH氏、2023年の区議会議員選挙で当選し区議として活躍中のBA氏(緑の党)・TH氏(立憲民主党)・KM氏(共産党)をはじめとする20歳代から80歳代までの男女合計25名(うち17名が女性)にインタビューすることができた。うちUS氏には2回実施したので、インタビュー調査は26回に及んだ。 合計で約50時間にもなる映像(音声を含む)データを、厳重に管理しながら研究チーム内で共有し、各自で視聴した。その上で、オンラインによる研究会(ZoomMTG)を開催して、都市・地域社会学、まちづくり論、社会運動論、フェミニズム論、映像社会学を専門とする多領域の研究者間で意見交換して読み込み、検証し、意味を探った。 以上のようにインタビュー調査の実施と映像データの共有化に注力した一方で、本研究プロジェクトに関連性を有する著書・論文や学会発表等に関しても着実に積み重ねることができた。今後(2025年度以降)に確実に繋がる1年となったと言えるだろう。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
4: 遅れている
理由
前掲「研究実績の概要」で述べた通り、2024年度は杉並区でのインタビュー調査の実施に最大限の力を注いだ。 岸本・US両氏への研究プロジェクト全般に関する説明と協力の取り付け、調査対象者の選定と協力依頼及び日程の調整、ビデオカメラでの撮影とICレコーダーでの録音などにあたる調査補助員の確保、インタビューの会場となるレンタル会議室の手配、その他細かなことを含め、諸々の事前準備を済ませて調査を実施できる態勢を整えるだけで年度の前半を費やしてしまった。 この結果、調査をスタートできたのが2024年9月20日(金)となり、同年12月21日(土)までの3ヶ月という短い期間に、都合26回ものインタビュー調査を相当無理を重ねて実施した。研究分担者や分担者のゼミ生にも関わってもらったが、日大後藤ゼミナールの学生・大学院生に補助してもらいながら、研究代表者の後藤が26回の全ての調査を主導した。映像・音声データの保存・管理とデータの共有化の諸作業も、後藤が引き受けた。文字起こし(テキストデータ化)の作業に関しては、2025年1月に一部を研究協力者にやってもらったが、完了にはほど遠い状況である。また、世田谷区での調査については、事前の準備を含めて一切手つかずのままとなっている。 総じて、時間を物差しにして示すと、実質的に半年ほどの遅れが生じてしまった。やり繰りがし易い夏期・冬期・春期休暇中ではなく、授業や会議その他の日常的な業務をこなしながら調査を実施せざるを得なかったというスケジューリング及び役割分担の不徹底といった問題も大きく作用したと思われる。
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| 今後の研究の推進方策 |
大幅な遅れが生じてしまったものの、1回につき約2時間を掛けて25名・26回ものインタビュー調査を敢行できたこと自体が本研究プロジェクトの大きな成果の1つであり、今後の研究を促進する確かな礎ともなる。 研究代表者・研究分担者・研究協力者全員が参加して開催した研究会で、ナラティブ・インタビューによって得られた良質な語りと映像を基に、2025年度に杉並区での追加取材/補充調査(撮影・録音)を実施して、「ナラティブズ 杉並ミュニシパリズム ―フェミナイゼーションとケアリングとエンパワメント―」(仮題)と題する社会学的映像モノグラフを制作し公開する方針を固めた。世田谷区で新規のインタビュー調査についても、開始する。 また、2024年度のインタビュー調査の成果を踏まえて、①市民・住民と首長との連携・協働の深化に伴う政治・社会状況やまちづくり活動の変動プロセスにおける杉並・世田谷両区の比較・検証、②日本と世界における社会運動の展開史並びに社会運動論の研究史におけるミュニシパリズム・ムーブメントの位置づけと今後の課題の明確化、③「ミュニシパリズムは政治のフェミナイゼーションをもたらす」という命題(ミュニシパリズムとフェミニズムとの関連性)に関する検討、④「社会学的映像モノグラフ」論/研究の理論的・方法論的検討、⑤3.11関連の社会現象(女性中心の原発避難者支援活動/災害エンパワメント/岡山現象など)との関連性の探究、などといった個別の研究課題についても、掘り下げていくことになった。 2025年度は、2024年度の振り返りと反省を生かして、無理のないスケジューリングとある程度明確な役割分担をしながら、研究を推進していこうと考えている。
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