| 研究課題/領域番号 |
24K00325
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分08010:社会学関連
小区分80030:ジェンダー関連
合同審査対象区分:小区分80030:ジェンダー関連、小区分08010:社会学関連
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| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 ますみ 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 招へい研究員 (30308564)
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| 研究分担者 |
倉田 徹 立教大学, 法学部, 教授 (00507361)
権 香淑 上智大学, 総合グローバル学部, 准教授 (00626484)
奈良 雅史 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 准教授 (10737000)
深尾 葉子 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (20193815)
大野 旭 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (40278651)
野嶋 剛 大東文化大学, 社会学部, 教授 (40895455)
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80388842)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2026年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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| キーワード | 国際間移住 / 中国大陸 / 香港 / エスニシティ / アイデンティティ / 教育 / イスラーム / 内モンゴル / 中華系ディアスポラ / 文化復興 / 普遍的価値観 / 移民 / エスニック・マイノリティ |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国/香港の専門家が研究組織をつくり、新たに派生した21世紀の中華系ディアスポラの視点で中国社会とホスト社会を再描写するという点に独自性がある。特に、エスニシティ、ジェンダー、階層、信仰にも留意して、多様性に富む21世紀の中華系ディアスポラ社会とホスト社会における文化構築を描くことを目的とする。そのために、彼らのさまざまなオンライン上の主張を分析したりオープンダイアローグ方式で聞き取ったりして分析を行う。これにより21世紀の中華系ディアスポラの複層的な姿が浮かび上がらせるのみならず、グローバル社会の多様性の概念を再構成し、より普遍的価値を重視した市民社会構築のための学問的基礎とする。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、20世紀末から21世紀になって、中国大陸と香港から他国に移住した人たちを中華系ディアスポラと呼んでいる。その移住理由と移住先の国での子女の言語教育やアイデンティティ保持のあり方についてインタビュー、教育活動への参与観察、統計、受け入れ国の外国人受け入れ政策について分析を行った。その結果、彼らの外国への移住の最大の動機が自由への希求であることが分かった。移住先は、欧米、日本、韓国など自由主義陣営が多いが、回族に関しては、マレーシアやUAEも選択肢に入っている。 移住先の国家の中国との政治、経済、外交的関係や従来の華僑華人との関係からいっても、新移住者はさまざまな行動や言論の制約を受けている。困難さは移住先での文化適応や経済状況の立て直しだけの問題ではない。それでも、書籍の出版活動、販売や文化保全活動、サロン開催、子女の教育活動を行っていることが分かった。それも、オンラインの言語クラス、SNSでの発信、オンラインラジオなど最新のテクノロジーを駆使したものである。 2025年のトランプ政権誕生により、在米中国系ディアスポラはその地位が脆弱化されている。しかし、彼らの多くに帰国という選択肢はない。それは、中国経済の失速や、権威主義国家体制への恐怖とも関係している。多くが、祖国と移民先の国家と間を行き来しつつも、子女の将来の選択肢拡大のため国外に住み続けることを選択することが分かった。 日本でもすでに中国国籍保持者が87万人を超えている。日本以外の移住先でも、各エスニシティ、ジェンダー、階層によって、都市にパッチワークのようなコミュニティをオンライン上、あるいは居住地域という形で重層的に形成しつつ、ゆるやかな互助のネットワークを形成していることが分かった。特に内モンゴル出身者や朝鮮族にとって、日本はかつての宗主国であり、日本への期待は他のエスニシティよりも大きい。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
海外や国内出張によって、順調にデータがとれ、参与観察ができ、対面インタビューもかなりされている。また、順調に論文が書かれ、研究代表者や研究分担者は海外、国内学会で発表をしている。しかし、予想以上の当局からの有形無形の圧力が中華系ディアスポラに対して存在することが明らかとなっている。そのため、インタビューイーの匿名性と個人情報の保護が担保されねばならず、それがさらなる社会学的調査の大きな障壁となっている。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度以降も、海外出張、国内出張を通して当事者にインタビューをしたり文化活動、教育活動に参与観察をしたりすることで、現在を生きる中華系ディアスポラの状況を把握する。そして、その政治的、経済的、法的状況を、中国国内の状況と連関しつつ分析を行う。また、彼らの個別の問題と全体の問題を区別しつつも、全体的な傾向を把握することに努める。それによって、彼らの存在が日本のみならず、世界への影響力はいかなるものなのかを知ることにする。例えば、中産階級が多い彼らがホスト国家でどのような行動をとり、ホスト国家の教育現場や社会秩序をどのように変えていくのか、あるいは、ホスト社会はどのように変わっていくのか、ということも研究対象となりうる。それは例えば、1989年の天安門事件以降の亡命者、出国者といかなる共通点があり、差異があるのか、ということともつながっていく。天安門事件以降の亡命者は、多くが知識人で、資産も持ち出せず、子女を帯同していなかった。有形無形の圧力にもさらされてきた。知識人の彼らはホスト国家の言語習得にも困難をきたした。一方、この21世紀のディアスポラは中産階級で、財産の海外持ち出しができ、子女を帯同していることが多い、いちがいに政治的圧力にさらされているわけではないが、親たちは年齢の関係で現地言語の習得に困難をきたしていることが多い。その一方で、子女のホスト社会の適応度は高い。 今後はこのような人々に積極的にインタビューするとともに、子女が通う学校現場の当事者たちにもインタビューしていく。
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