| 研究課題/領域番号 |
24K00528
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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| 研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻本 諭 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60287977)
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| 研究分担者 |
佐々田 槙子 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (00609042)
加藤 毅 京都大学, 理学研究科, 教授 (20273427)
前田 一貴 福知山公立大学, 情報学部, 講師 (80732982)
須田 颯 東京科学大学, 理学院, JSPS特別研究員 (80912386)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2028年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2027年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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| キーワード | 離散可積分系 / 確率論 / Pitman変換 / 箱玉系 |
| 研究開始時の研究の概要 |
直交関数系の理論に組合せ論的手法を組み合わせることで離散戸田格子の“超離散化可能”な拡張モデルを導出し、確率論のPitman変換と直接的な関係を有する箱玉系 (超離散戸田格子) の拡張ルールとその保存則や初期値問題の解法について解析する。さらに、確率論の観点から、古典直交多項式の有する双対性や不変分布・一般化ギブス測度の存在などを関連付けながら、古典可積分系の新しい解析手法を開発していく。これにより、大きな進展を見せている古典可積分系と確率論の連携を箱玉系の拡張モデルへと広げていき、ヒエラルキーを含めた可積分系の族に対して有効な理論へと展開していく。
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、離散戸田格子を代表例とするヒエラルキー構造を有する離散可積分系に対して、(i) 直交関数系の理論を用いることで箱玉系の拡張モデルの導出とそのスペクトル問題の種々の解析手法を確立し、(ii) 確率論の観点から離散可積分系を大規模相互作用系とみなすことで離散可積分系に対する統計力学的な解析を行い、多岐にわたる関連する分野への応用を図ることを目的としている。 直交関数系の観点からの研究項目として、直交多項式理論とその一般化の立場から、離散戸田格子の自然な拡張モデルについて調べた。直交多項式の拡張から様々な直交関数系を考えることができる。この観点を踏まえることで、相対論的離散戸田格子)から R1 格子と呼ばれる離散可積分系のファミリーが得られることを明らかになった。 また、直交関数系による拡張手法をより詳細なステップに分解することで、離散力学系のファミリーを導き、相互変換などの議論を進めた。これにより、数値計算アルゴリズムへの応用も可能となってきた。 また、確率論の観点からの研究項目として、ランダムな初期分布を持つ箱玉系におけるソリトンの時空間スケーリング極限を調べた。ベルヌーイ直積分布や両側マルコフ分布を初期条件とするとき、各ソリトンの直線運動からの揺らぎが、拡散的な時空間スケール変換の元でブラウン運動に収束することを示し、さらに、ソリトンのスピードについて平均的な速度への収束に関する大偏差原理を証明した。さらに、拡散的な時空スケーリングにおいて、二つのソリトンがマクロに十分離れていても、2つのソリトンの平均からのズレの挙動が全く同じブラウン運動に収束することを示した。この結果は、決定論的な可積分系についての、ソリトンに代表される準粒子の動的挙動の確率論的な理解を深め、ランダム初期条件下での系の大域的な挙動に関する非常に新しい知見をもたらすものである。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
離散戸田格子の特別な場合とみなすことのできる箱玉系について、良い不変分布のもとでのスケール極限について、中心極限定理や大偏差原理などの確率論における基本的な極限定理という結果が得られたことは非常に大きな進捗である。さらに、Yang-Baxter写像と独立性保存則についての研究から、quadrirational mapと二次元離散戸田格子との関連という全く予想外の新しいテーマも見つかっており、今後この方向の研究も大きく発展することが期待される。また、離散可積分系と直交多項式理論の融合を図ることで、離散時間相対論的戸田格子の拡張モデルを通じて、対応する超離散モデルの導出と、その詳細な解析が可能となった。この議論をさらにすすめることで、R1型双直交関数系から導かれる新たな箱玉系を導出し、確率論からの解析を可能とした。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度に得られた結果である箱玉系の拡張モデルとその種々の解析手法を用いることで、確率論の観点から離散可積分系を大規模相互作用系とみなすことで離散可積分系に対する統計力学的な解析をすすめることが可能となってきた。また、Mealy型Automatonにおいても、新たなソリトンの性質を有する力学系に対しても、これまでの解析手法の適応およびさらなる進展を図る。また、Yang-Baxter写像と独立性保存則の関係についての研究から、quadrirational mapと二次元離散戸田格子との関連という全く予想外の性質が見つかっており、この関係を深く調べることで、可積分系と確率論、さらにはその関連において代数幾何学の果たす役割についても明らかにしていきたい。また、一般化流体力学については、箱玉系に限らずより一般の離散可積分系に対して一般化流体力学極限、および付随するスケール極限を厳密に証明することを目指す。
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