研究課題
基盤研究(B)
本研究では流体乱流においてみられる秩序状態を、最新の力学系理論の観点で捉える。非線形複雑ダイナミクスに見られる秩序構造を、力学系の不変集合で特徴づける研究は2000年前後からしばしばなされてきた。たとえば、不動点、周期点で特徴づける研究は複雑な秩序構造を数学的対象として表現することに成功し、たとえば壁付近の乱流の渦生成、維持、崩壊の複雑ダイナミクスの理解のみならず、周期軌道の安定多様体を用いた制御などに活用されて流体力学分野にブレークスルーをもたらした。本研究では更に踏み込んだ力学系解析を実施するために、不動点、周期点と同じく力学系の不変集合であるカオス的サドルを用いて秩序構造を特徴づける。