研究課題
基盤研究(B)
本研究の動機となるウラン化合物は、他の物質群と比べて極めて特異である。例えば、相転移を特徴づける物理量の同定が極めて難しい秩序が存在したり(隠れた秩序)、スピン三重項超伝導体と呼ばれる特異な超伝導体の宝庫となっている。ウラン原子には大きな原子番号、局在性の強い電子を持つという特徴があり、前者は相対論補正の重要性を、後者は相互作用による多体効果の重要性をそれぞれ示唆する。本研究では、相互作用に対する相対論効果など、通常よりも高次の補正項を系統的に調べることにより、原子番号の大きな元素を含む強相関電子系の物性を解明し、その知見を基に新しい相対論効果を開拓することを目指す。