研究課題
基盤研究(B)
大規模な火山噴火は気候やオゾン層に深刻な影響を与える。通常は、成層圏の硫酸エアロゾル濃度を数年にわたり激増させ、成層圏の高温化、対流圏の低温化、オゾン層破壊をもたらす。2022年1月のフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ(HTHH)海底火山の大噴火では、成層圏への水蒸気注入量が観測史上最高となった。成層圏における水蒸気は、成層圏の低温化、対流圏の高温化をもたらすことが予想される。また、循環の変化や光化学過程を通して、オゾン層にも影響を与えうる。本研究では、複数の全球大気再解析データの分析および全球化学気候モデルによる数値実験により、HTHH噴火がもたらした気候やオゾン層への影響を明らかにする。