| 研究課題/領域番号 |
24K00991
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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| 研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
李 漢洙 広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 教授 (10535082)
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| 研究分担者 |
森 信人 京都大学, 防災研究所, 教授 (90371476)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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| キーワード | 異常潮位 / セイシュ / 海洋ブイ / 定点観測 / 河川流入 / 海面蒸発散 / 内部セイシュ / 広島湾 / 瀬戸内海循環モデリング / 定点ブイ観測 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は2024年度から3年間,定点常時観測と高解像度瀬戸内海循環モデリングの二つで構成し,同時進行で進めていく. 「定点常時観測」 異常潮位発生時における水温と塩分濃度の変化特性による内部セイシュのシグナル(湾内と外部への伝播)を確実に捉えることを「定点常時観測」の目標とする. 「瀬戸内海循環モデリング」 「瀬戸内海循環モデリング」では,広島湾異常潮位を精密に再現し,内部要因と外部要因による寄与度の定量的評価を明らかにするともに,異常潮位の予測システム開発を目標とする.
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、広島湾の北西部に位置する厳島神社における,台風が通過後の晴れの日に発生する広島湾の異常潮位による厳島神社の冠水メカニズムを解明および予測システムを開発するものである。 主な研究手法として、広島湾3ヶ所(北西部の厳島,南部の屋代島北沖,南東部の津和島北沖)における定点ブイによる水位と水温・塩分濃度の鉛直分布の常時観測を行い,異常潮位の原因と思われる内部セイシュによる水面変動のメカニズムを明らかにする。2024年度は定点観測のために、海洋ブイの開発及び現地実験を実施した。海洋ブイは水温、電気伝導度、塩分濃度、位置情報、全溶解固形分、比重を観測できる。2024年5月と12月に竹原沖において観測に成功した。現在は、海洋ブイを漂流型ブイ、係留型ブイ、GPS追跡型ブイの3種類へと、多様化を行っている。また、ブイの設計では観測センサーのモジュール化による、観測目的に合わせた海洋ブイの改良が容易である。これらのブイはこれまでの商用ブイに比べ低コストで、費用対効果が非常に高い。また、3Dプリンターを利用し、さらなる低コスト化および大量生産への可能性を行っている。2025年度においては、係留型ブイを用いた長期観測による水位と水温変動定点観測を実施する。 また、異常潮位発生要因として、太田川からの淡水流入の影響,海面における蒸発散による影響について、関連観測データを収集し、データ解析を行った。さらに,高解像度瀬戸内海循環モデリングを実施し,広島湾異常潮位における瀬戸内海全域循環の影響や外洋からの影響について定量的評価を実施中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では、広島湾における3ヶ所において、水位、水温、塩分濃度のプロファイルを長期定点観測を実施し、内部セイシュおよび河川流入、海面蒸発散、外洋からの長周期波等の影響を定量的に評価することで、広島湾における異常潮位の発生メカニズムを明らかにするものである。特に、広島湾の中部における長期定点観測は予算内で実行がかなり厳しい状況であり、研究代表者らは水温、塩分濃度、電気伝導度などが観測できる海洋ブイの開発を進めている。 開発中の海洋ブイは係留型ブイ、漂流型ブイ、GPS追跡型ブイであり、水温、塩分濃度、電気伝導度、比重など多数の環境変数が観測できるように設計され、2024年5月と12月に海でのテストに成功した。こうした状況は当初予想しなかった展開であり、多様な海洋ブイの開発による内部セイシュの観測できるだけでなく、沿岸環境の幅広いモニタリング手法として活用できる、大きな進展と考える。 その他、異常潮位発生に関連する事象に関するデータ収取や解析は順調に進んでいる。 2025年度では、係留型ブイを用い、広島湾における長期定点観測を実施する。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度における研究の推進方策は以下のとおりである。 1.海洋ブイの多様化:係留型ブイ、漂流型ブイ、GPS追跡型ブイの開発を完了させる。係留型ブイには、これまでのセンサーに加え、海洋pHが計測できるセンサーを搭載し、海洋酸性化やpCO2の観測を試みる。pCO2が観測できれば、沿岸生態系が持つCO2の吸収・隔離ポテンシャルが評価できる。 2.係留型ブイによる、夏場を中心とし、広島湾における水温、塩分濃度、およびその他の環境変数の長期観測を実施し、湾内の振動や流れ特性を解析する。また、観測データを用い、瀬戸内海モデルの検証を行う。 3.その他の、河川流入淡水の影響、海面における蒸発散が湾水の成層現象と内部セイシュに及ぼす影響、外洋からの沿岸伝播される長周期は影響について、主に観測データの解析による、異常潮位発生における定量的寄与度を評価する。これらの寄与率の評価は次年度中に完了できると考える。 4.広島湾内における内部循環や外部へのエネルギー伝播については、瀬戸内海モデルを用いた3次元粒子追跡実験を実施することで、詳細な評価ができると考える。
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