研究課題
基盤研究(B)
異種原子がランダムに配列する不規則鉄合金は0.1Åオーダーの大きな歪み(構造ゆらぎ)があるのに,温めると縮む「負の熱膨張」やマルテンサイト変態など,協力的な原子変位を伴った熱弾性特性をなぜ発現できるのか? これまで我々は不規則Fe-Ni合金の原子間距離は一様でなく,元素選択的な原子間距離の違いを見出した.しかしその原子間距離の差は上記の歪と比べて一桁も小さく,この局所的な伸長が伝播して協力的な原子変位に繋がるメカニズムが必要である.本研究ではEXAFSと全散乱(結晶PDF)および回折データを相補的に導入し,合金の原子対のネットワークを精密に可視化するまでRMC法を高度化する.