| 研究課題/領域番号 |
24K01187
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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| 研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小山 元道 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20722705)
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| 研究分担者 |
武富 紳也 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (20608096)
佐々木 大輔 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 准教授 (50772498)
奥山 彫夢 木更津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (50804655)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2025年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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| キーワード | 水素脆化 / 転位運動 / 電子チャネリングコントラスト / 固溶強化 / 空孔 / 鉄合金 |
| 研究開始時の研究の概要 |
水素脆化因子として水素による材料軟化の影響が広く研究されている。しかし、“水素は材料を硬化させる”と報告されることも多い。この矛盾は次の事実で説明される。(1) 水素による軟化または硬化の挙動は水素量依存性があり、高い水素量では硬化を示す。(2) 水素-転位相互作用には薄膜効果がある。つまり、現在の研究対象となっているバルク中の高水素濃度における水素脆化の機構を明らかとするためには『材料硬化に基づく水素脆化機構の構築』が必要である。しかし、鉄合金において硬化に着目した水素脆化機構の研究フレームワークは現状構築されておらず、本研究提案はこれに挑戦するものである。
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| 研究実績の概要 |
固溶化熱処理を施したNi基FCC合金を対象に、水素の有無によってホールペッチ係数を調査することで転位-粒界-水素の相互作用を間接的に解析し、粒界における局所応力発達の影響をマクロな視点から理解した。より具体的には、よく報告されている水素による固溶強化により降伏強度の上昇は確認されたものの、水素によりホールペッチ係数は変化せず、水素は粒界-転位相互作用にはほとんど影響しないことが明らかとなった。つまり、Ni合金では水素はあくまで粒界強度に影響しており、転位パイルアップへの影響はほか合金元素の影響にくらべて無視できる程度であると結論づけられた。同様に純Niでもホールペッチ係数に影響を与えなかったが、合金と異なる点として、転位-転位間相互作用に水素は大きな影響を与えた結果と考えられる著しい加工硬化率の増大が確認された。これはNiの水素拡散係数が合金より低いことなどに起因した水素による転位のピニング効果やソリュートドラッグによるものと考えるが、合金化されると拡散係数が著しく低下するため、Ni合金、双晶などの転位集団運動が誘起されない限りは、ほとんど応力ひずみ応答に影響を与えないと考えられる。結晶塑性有限要素法を用いた空孔密度解析を空孔の拡散係数を現実的な範囲で変化させることで計算した結果、空孔密度発達に有意なひずみ速度依存性が見られ、空孔に由来した水素脆化機構を知る上で重要な知見になると期待される。このため、空孔拡散速度への水素の影響を計算することも進めている。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
種々なFCC合金の試料準備ならびに硬化挙動の引張試験による評価を行うと共に、空孔拡散係数の計算および空孔密度分布の計算について、その基礎的解析を終えた。これらは当初予定していた計画通りであり、概ね順調に進展していると考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
本テーマでは水素拡散挙動および粒界破壊挙動が一つ重要な鍵であるので転位-水素相互作用に加えて、水素拡散係数の測定や粒界き裂の結晶学的解析もすすめることで、現在議論している内容の精緻化をすすめる。また、実験的な観点から、現在はFCC合金を対象としているが、水素による硬化と脆化挙動の解析をBCCに展開する。特に、水素-転位相互作用による硬化・脆化に対するひずみ速度依存性の理解につながる実験を行う。 計算的側面では、空孔密度計算について空孔拡散速度の変化により有意な変化が認められたので、この視点を深堀する。特に、水素により空孔拡散係数が低下することが知られるので、水素による空孔拡散係数を計算的手法を求めつつ、その得られた拡散係数の範囲で空孔密度計算をすることで水素脆化のひずみ速度依存性が理解できないか努める。
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