研究課題
基盤研究(B)
原子空孔-溶質原子の結合エネルギーは、原子力材料をはじめとする材料研究における最も基礎的な物理量である。本研究では、新しい実験手法(空孔-溶質が1対1で結合した空孔-溶質複合体のみを欠陥として含む試料を作製し、先端手法で空孔-溶質複合体を観察する)により、鉄中の銅などの重要溶質に関して、空孔-溶質結合エネルギーを直接実測しようとする。得られた空孔-溶質結合エネルギーを用いて、原子炉圧力容器鋼について、照射による微細組織形成機構を解明する。本研究で得られる空孔-溶質結合エネルギーの実験値は、今後期待される計算機を活用した原子力材料の研究開発など、幅広い材料研究で活用されることが期待される。