研究課題
基盤研究(B)
稠密に密集した擬縮重領域に属し、多数の電子状態間で多次元非断熱遷移を頻繁に繰り返すことにより電子遷移を繰り返す電子状態群は、量子力学的な強い状態混合を続けるため、極めて長寿命の擬束縛状態のまま自発的に分子変形を続ける。このような電子状態は、新しい化学現象が期待できる未知の分子量子電子状態であり、我々が発見し、同定した。これを「複雑電子励起状態」と呼ぶ。本課題では、複雑電子励起状態の新規化学反応および触媒機能、反応場機能を含む新規反応機構の研究へと展開し、包括的励起状態化学反応論を構築する。