研究課題
基盤研究(B)
視覚の初期過程やDNAの内部転換は、電子励起状態から基底状態への超高速な緩和により効率的に駆動される。これら緩和過程では円錐交差が重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、凝縮相における多原子分子の円錐交差は多次元的に表される複雑なポテンシャルエネルギー曲面の交差点として表され、また交差領域近傍は極めて単寿命である。そのため、通常の時間分解分光では、実際に円錐交差を経由している証拠、あるいはその交差領域近傍の特性を明らかにすることは困難である。本研究では、新しい多次元振動分光法を開発し、円錐交差を経由したダイナミクス及びその近傍の特性を明らかにすることを目的とする。