研究課題
基盤研究(B)
本研究では、まず精良で自由度が高いキラル高分子超薄膜の製膜技術の確立を進め、様々なキラル誘起物性を研究する足掛かりを確実なものにする。そして、各種の表面分光法や顕微法を駆使して製膜した単分子膜のキャラクタリゼーションと物性評価を行い、その結果を新たな分子設計へ反映することによって高性能なキラル誘起物性の創出を目指す。キラル誘起物性の中でも、特に注目するのはキラル誘起スピン選択(CISS)効果である。CISS効果は、キラル分子膜を透過/散乱した電子のスピンが偏極する現象であるが、その理論的解釈は未だ定まっていない。本研究では、その発現機構を探ると共に、スピン選択性の向上について探求する。