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光励起窒素ラジカルの触媒機能攻究

研究課題

研究課題/領域番号 24K01481
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分33020:有機合成化学関連
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大松 亨介  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00508997)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
キーワード光触媒 / 分子触媒 / 窒素ラジカル / 水素原子移動
研究開始時の研究の概要

本研究では、物質創製の合理化・効率化に資する合成化学技術の開拓を指向し、多種多様な化合物を原料としたC(sp3)-H結合変換を可能にする新規触媒の創製に挑む。特に、可視光を駆動力として高い反応性を発揮する光励起窒素ラジカルの設計と触媒機能の創出に注力する。分子中に存在する官能基の反応性を足掛かりとして化学反応を実現してきた従来の合成化学と一線を画し、反応性の高い官能基存在下、安定なC(sp3)-H結合の選択的変換を可能にする光励起ラジカル触媒によって、天然物等の複雑分子の効率的合成や直接構造変換を実現する。

研究実績の概要

不活性結合の直接変換を可能とする光励起窒素ラジカル触媒の機能探求にもとづき、高難度な分子変換反応の開発を行なった。今年度の研究ではとくに、ラジカル触媒と金属触媒とのハイブリッドシステムとして、双性イオン性アクリジニウムアミデートとコバルト錯体を組み合わせたアルカン類の脱水素反応の開発に注力した。酸化剤を必要としない触媒的脱水素化反応(Catalytic Acceptorless Dehydrogenation, CAD)は、分子状水素(H2)のみを副生成物として発生させつつ、芳香族化合物やオレフィン類を構築する持続可能かつ直接的な方法として注目されているが、反応自体が吸熱的であり、進行には強力な駆動力が必要となる。本研究では、光誘起による直接的水素原子移動(direct Hydrogen Atom Transfer, d-HAT)を担うアクリジニウムアミデート触媒と、水素発生に関与するコバルト錯体を組み合わせることで、温和な条件下で効率的なCAD反応を実現した。具体的には、テトラヒドロナフタレンやインドール、イソキノリン、2-ピリドンといった複素環化合物を含む幅広い基質に対して適用可能であり、選択的かつ高収率で不飽和化合物へと変換することに成功した。また、ベンジルアルコール類の酸化的変換や、複雑なステロイド化合物に対して、特定部位の脱水素化が達成され、その応用可能性の広さを実証した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、光励起窒素ラジカルの機能追究と水素原子移動反応等による不活性結合の直接変換の開拓を目指しており、当初の計画に沿って着実に進展を見せている。今年度においては、独自に開発した双性イオン型アクリジニウムアミデートを用いた光誘起水素原子移動(direct HAT)と、コバルト錯体による水素発生反応を融合させたハイブリッド触媒系を構築し、温和な条件下で多様な基質の脱水素化に成功した。ベンゼン縮環化合物や含窒素複素環に加え、天然物誘導体に対しても高い変換効率と選択性を示し、実用的な有機合成手法としての有望性を明示した。また、触媒作用機構の検証においても、ラジカル種の生成と反応経路に関する知見を得ることができ、触媒設計の指針となる基盤的知識を確立しつつある。これらの成果は、研究目標に対して極めて良好な進捗を与えるものであり、今後さらに多様な結合変換反応の検討を通じて、研究の深化と波及的展開が期待される。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた成果に基づき、今後は以下の三点を中心に研究のさらなる推進を図る。第一に、基質適用範囲の拡大である。現時点でベンゼン縮環系や含窒素複素環への適用が可能であることを確認しており、今後は脂肪族化合物や複数の官能基を含む医薬品候補化合物への応用を目指す。また、結合活性化の位置選択性制御の高度化やC-H結合以外の不活性結合を標的とした官能基選択的活性化の可能性も検討する。第二に、アクリジニウムアミデート光触媒の構造多様化を通じた触媒性能の最適化である。電子的・立体的特性を精密に調整することで、励起状態のエネルギープロファイルやラジカル生成能を制御し、より選択的かつ効率的な反応設計を可能とする。第三に、反応機構の更なる解明を通じて触媒作用の本質を明らかにし、設計指針の汎用化を図る。特に、時間分解分光法や理論計算を活用し、反応中間体や電子移動過程を詳細に解析する計画である。これらの戦略的方策を通じて、有機分子光触媒を基盤とした持続可能な分子変換技術の確立を目指す。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-11   更新日: 2025-12-26  

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