| 研究課題/領域番号 |
24K01489
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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| 研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
國信 洋一郎 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40372685)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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| キーワード | C-H結合変換 / 位置選択性 / エナンチオ選択性 / 非共有結合性相互作用 / 立体反発 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、非共有結合性相互作用を利用する独自の触媒を創製することで、位置選択的およびエナンチオ選択的な炭素-水素(C-H)結合変換反応を開発する。この際に、金属触媒とともに、金属触媒では実現の難しいラジカル的なC(sp3)-H結合変換反応を選択的に進行させるため有機触媒についても検討する。また、触媒と基質の置換基との立体反発の利用により、芳香族化合物のパラ位選択的なC-H結合変換反応を達成する。さらに、電荷を有する官能基を導入した触媒とそれとは異なる電荷を有するキラル添加剤の間に働く静電相互作用により光学活性な超分子触媒を創製し、エナンチオ選択的C(sp3)-H結合変換反応も実現する。
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| 研究実績の概要 |
本年度は、触媒と基質間に働く非共有結合性相互作用を利用した位置選択的C-H結合変換反応の開発を行った。 芳香族ボロン酸とデカタングステン酸塩光触媒との間に働く水素結合を利用することで、ベンジル位でのC(sp3)-Hアルキル化反応が進行することを見出した(Org. Lett. 2024, 26, 4853)。基質をスルホンアニリドに変えることで、デカタングステン酸塩光触媒との間に働く水素結合が強くなり、ベンジル位でのC(sp3)-Hアルキル化反応が高位置選択的に進行することを明らかにした(J. Org. Chem. 2025, 90, 3454)。 また、触媒がもつ環状部位への基質の包接(ホスト-ゲスト相互作用)を利用することで、ハロゲン化アルキルを有する芳香族化合物の位置選択的なC(sp2)-Hボリル化反応の開発に成功した(ChemRxiv, DOI: 10.26434/chemrxiv-2025-n95d6)。本反応では、配位子の構造を変えることで、反応点(メタ位とパラ位)をスイッチすることが可能である。従来C-H結合変換反応で位置選択性の制御に用いられてきた配向基法や非共有結合法では、配位性の官能基や水素結合受容性官能基、Lewis塩基性官能基、電荷をもつ官能基などが基質に含まれている必要があったが、本反応ではそのような官能基をもたない基質でも位置選択性を発現することができた点で重要な研究成果である。 さらに、独自に設計したかさ高い配位子を有するイリジウム触媒を用いることで、基質の置換基との立体反発を利用することで、芳香族化合物のパラ位選択的なC-Hボリル化反応の開発にも成功した(ChemRxiv, DOI: 10.26434/chemrxiv-2025-2xm3m)。本反応では、コンパクトな置換基をもつ基質でも従来の関連研究に比べて高いパラ位選択性が発現した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初想定していた水素結合のような非共有結合性相互作用を利用した位置選択的なC-H変換反応の開発は、ほぼ計画通りに進んでいる。一方で、当初の計画にはなかった以下の研究成果も得られた。1つ目は、環状部位をもつ独自の配位子を有する触媒を利用した触媒と基質間に働くホスト-ゲスト相互作用による位置選択的なC-H変換反応の開発に成功した。本研究成果は、これまで位置選択性の制御に利用されてきた配向基法や非共有結合法で必要だった官能基をもたない基質でもC-H結合の位置選択性を制御できることを示した点で画期的である。また、2つ目は、独自に開発したかさ高い配位子を用いることで、従来の関連研究で用いられている配位子をもつ触媒に比べて、高いパラ位選択性の発現に成功した。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き、触媒と基質間に働く非共有結合性相互作用を利用することで、位置選択的なC-H変換反応を開発する。 C(sp2)-H変換反応では、水素結合や静電相互作用、ホスト-ゲスト相互作用を利用することで、これまで位置選択性の制御が困難とされてきた基質やパラ位よりも遠隔位での位置選択的なC-H変換反応を開発する。また、非共有結合法を利用する位置選択的なC-H変換反応として、これまではC-Hボリル化反応の例がほとんどだったが、C-Hボリル化以外の変換反応についても検討を行う。また、触媒と基質との間に働く立体反発を利用することで、パラ位よりも遠隔位での位置選択的なC-H変換反応も実現する。 C(sp3)-H変換反応においては、水素結合や静電相互作用、ホスト-ゲスト相互作用を利用する位置選択的なC-H変換反応を開発する。また、位置選択性の制御だけでなく、エナンチオ選択的な反応の開発に着手する予定である。
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