研究課題
基盤研究(B)
光学活性物質の起源や自然界におけるホモキラリティの発現は、現代科学の重要な未解決問題のひとつである。これまでに、不斉要素を持たない有機配位子と遷移金属およびランタノイド塩の組み合わせにより生成するキラルな金属錯体が結晶化する際、単一のエナンチオ結晶のみを選択的に生成する極めて珍しい絶対自然分晶を発見した。この現象はキラル対称性の創出とも言える現象である。本研究では、この特異な結晶化挙動の発現要因を実験的に解明するとともに、絶対自然分晶により得られたエナンチオ結晶を起源とするキラリティ伝播を用いて、キラル磁性や円偏光発光特性などの有用キラル物性を有する化合物群の創生を目指す。