| 研究課題/領域番号 |
24K01579
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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| 研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
村上 尚 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90401455)
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| 研究分担者 |
本田 善央 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60362274)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2025年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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| キーワード | 窒化ガリウム / エピタキシャル成長 / 窒化インジウムガリウム / 混晶半導体 / ハライド気相成長 / トリハライド気相成長 / 格子整合 / ScAlMgO4 / 転位 |
| 研究開始時の研究の概要 |
InxGa1-xNおよびAlyGa1-yNに代表されるIII族窒化物三元混晶は、組成を制御することにより210 nmから1700 nmまでの受発光を自在に変化させることができる材料である。これらの材料系を用いることで低炭素社会構築はもとよりポストコロナ・安心安全な社会構築のキーデバイス実現が期待される。このような優れた潜在能力を有する材料であるが、現状ではデバイス作製に必要となる格子整合基板結晶(ウエハ)が存在しない。本研究では、熱力学に基づく原料分子制御手法により未踏の全組成域で高品質なIII族窒化物三元混晶厚膜およびウエハの創製を目的とする。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、高純度・高品質結晶および高い結晶成長速度が特徴であるハライド気相 成長法(Halide Vapor Phase Epitaxy, HVPE)を発展しInN系成長を可能とした新規原料分 子を用いるトリハライド気相成長法(Tri-Halide Vapor Phase Epitaxy, THVPE)による、 全組成領域のInGaN高品質結晶成長および厚膜化によるInGaNウエハ作製を目的としている。本課題初年度である令和6年度には、①GaN自立基板上にて格子緩和せずコヒーレントに成長する本成長法の特徴を活かした高速厚膜成長の検討と、②In組成17%のInGaN結晶と格子整合するScAlMgO4(SAM)基板上での成長を検討した。 ①に関して、これまでの研究で報告している1.6μm/hという低い成長速度に対して、原料供給分圧や成長温度をはじめとする成長パラメーターを最適化することによる成長速度の増加検討を行った。原料供給分圧の増加よ成長温度の高温化を行うことにより、結晶品質を損なうことなく7.5μm/h程度まで成長速度を増加することに成功した。一方で、成長温度の高温化に伴って、In組成の減少傾向が見られた。これは、熱力学に基づく理論計算の結果とよく一致しており、V/III比の増加(アンモニアガス供給分圧の増加に相当)と、III族原料であるGaCl3およびInCl3の供給比の調整にて、In組成の増加の対応が可能と考えられ今後検討する。 ②に関して、SAM上のGaNおよびInGaN直接成長と、バッファ層の検討を行った。直接成長の場合、SAMの濡れ性の低さ(表面結合手が極めて少ない)に起因して、核形成が不均一となり、均一な膜を得ることが難しいことがわかった。そこで、低温GaNバッファ層やAlN核形成層を導入したところ、GaNの均一成長が可能であることを明らかにした。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
令和6年度は、GaN自立基板上のInGaNコヒーレント成長の高成長速度化の検討を行い、これまで得られていた成長速度から4倍以上の成長速度においても、コヒーレント成長を維持し、結晶品質を保ったまま結晶成長できることを見出した。成長速度の高速化は、厚膜単結晶やInGaNウエハ作製には必須の検討項目であるため、原料供給分圧や成長温度の最適化によりさらなる高成長速度化が可能である指針が得られた点において研究は順調に進められている。また、SAM基板上InGaNおよびGaN成長ではSAM基板の濡れ性の低さに起因する不均一結晶成長の問題が露呈したものの、高温成長の前の核形成を低温バッファ層やAlN層の導入により問題を回避できる道筋を得ることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和6年度までに、GaN上InGaNコヒーレント成長の成長速度を7.5μm/hまで増加することに成功したため、さらなる成長速度の増加の可否と成長速度増加による結晶品質やIn組成への影響を調査する。また、コヒーレント成長したInGaN中の結晶構造や転位伝播挙動について、共同研究者の名古屋大学本田善央教授のグループにて、光学評価を実施する。基板(ウエハ)として使うためには、少なくともInGaN膜の厚みを50~100μmまで増加する必要があるため、成長速度の上限(結晶品質を保って成長できる速度)を探索し、厚膜化を実施していく。SAM基板上のInGaN成長では、均一なInGaN膜成長の指針が得られたことから、SAMと格子整合するIn組成17%のInGaN成長を実施し、結晶品質の評価と厚膜化の可否を検討する。厚膜化が可能となったあかつきには、SAM基板の劈開性を利用し、InGaN膜の剥離を検討する予定である。
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