研究課題
基盤研究(B)
我々はこれまで、カイコ蛾の体色と斑紋形成に関わる2つの突然変異、黒蛾とクワコツマグロの原因遺伝子の解析を進め、両遺伝子がカイコ第17染色体の最上流の極めて近接に位置していることを明らかにしている。さらにこのゲノム領域は、オオシモフリエダシャクの「工業暗化」を引き起こすcarbonaria遺伝子座や「ミュラー型擬態」で有名なドクチョウの斑紋形成遺伝子座とシンテニーをもつことも突き止めている。そこで本課題では、カイコ蛾の黒蛾とクワコツマグロの原因遺伝子を特定することで、チョウ目昆虫の体色や斑紋形成を分子レベルで紐解くとともに、擬態や保護色といった適応進化の解明を目指す。