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茎と根の音響放射の同時測定が可能なセンサの開発による植物体内水の動態評価

研究課題

研究課題/領域番号 24K01876
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
研究機関埼玉大学

研究代表者

蔭山 健介  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30272280)

研究分担者 深山 陽子  福島大学, 食農学類, 教授 (00502098)
小沢 聖  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (40360391)
岩崎 泰永  明治大学, 農場, 専任教授 (40500947)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
キーワードアコースティック・エミッション / 夜の膨圧水移動 / サーカディアンリズム / トマト水疱症 / 植物体内の水分動態
研究開始時の研究の概要

蒸散に伴い導管内で音響放射(AE)が生じるが,蒸散がない夜にも多数のAEが複数の測定で検出される。この原因と考えられる根圧水は,1) 夜の前半に地上部の体内水分不足を補い,2) 夜の後半に地上部の膨圧を高め, 3) サーカディアンリズムが関わっている。本研究では,茎と根のAEの同時測定を可能なAEセンサを開発し, 1),2),3)の条件での根圧水の移動を,AE発生挙動と波形の特徴量(以下,AE特性)で分類することで,体内の水移動に関する新知見を得ることを目的とする。また,これらの解析から過度な膨圧上昇で生じるとされる裂果,トマトの水疱症などの生理障害を軽減する技術開発の資料を得る。

研究実績の概要

ECSの絶縁電極に形成したPTFE膜をUVレーザにより0.02 mmまでのパターニングにより微細構造を制御することを検討したが,加工困難であることが判明し,CO2レーザとスリットを用いて微細な溝部とうね部の形成を試みた。その結果,従来よりもばらつきの少ない幅を有するうねと溝部を形成することができた。そして,低硬度のシリコーン樹脂シートをECSの受感部に接着することで,トマトの苗の茎にも密着可能なECSを製作できた。
開発したECSを用いて水耕ミニトマトの根基部,胚軸,茎でのAE測定を行った。その結果,茎では明期開始時にAE数のピークが認められたが,根基部では暗期開始時にAE数のピークが生じ,胚軸ではいずれのピークも認められた。これらの結果から,茎では蒸散の開始,根では根圧水の増加による植物体内の水分状態の急激な変化によりAEが生じたのではないかと推察される。
また,閉鎖型苗生産システムで播種2週間後の本葉2枚のトマト苗に,1で製作するプロトタイプのECSを装着してAEを測定したところ、検出数は少ないものの根と茎からAEを検出できた。そして,測定株数を増やしてAE測定を行い,茎と根のAE数の合計を比較したところ,茎と根ではAE発生挙動に差が認められ,根の方が暗期のAE数が多いことが分かった。一方,水泡症が生じた株でのAE測定も行ったが,株による水泡症の症状に大きな差が生じなかったため,AEと水泡症との関連は不明だった。
さらに,ハウス栽培トマトでのAE測定を検討した。ハウス内でのAEは,骨材の陰による短時間で頻繁な水ストレス緩和の影響を受けるため,デンドロメータによる茎径変化と比較には1時間の観測数が適していた。トマトとイチゴで,茎径で評価できない湿害による水ストレスをAEで評価できた。また,バイオスティミラント処理で根の発達を促進したトマト個体では,午後のAE数が減少した。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

軟弱な茎に適したECSは開発できたが,根については今後開発する。茎と根でAE発生挙動に差が生じることを明らかにしたが,水泡症とAEとの関連は今後調査する。異なる条件での根圧水移動のAE特性については,トマトでは根にセンサ装着が容易だが,夜間のAE数が少ない一方,キャベツではこれと逆の関係であった。また,同一個体に複数の根系を持つサンプルを,トマトでは作れるがキャベツでは作れない。これらのことから,研究対象作物にキャベツを加えて両作物の利点を生かした実験を進めるべきことを認識した。

今後の研究の推進方策

さらに長期間使用可能な耐水性に優れるECSを製作する。そして,様々な太さの根に密着させて取り付けて根圧水移動に起因するAEを検出できる測定技術を開発する。
品種を含め水疱症が発生しやすい要素を網羅的に抽出するために,明暗周期,温度,湿度,光強度,土壌水分を変化させる環境条件とし,これら要素を組合せてAE特性と水疱症発生との関係を解析する。
ハウス栽培トマトでは当初の目的とおり,夜間の根のAEを解析し,裂果との関係を品種間差や栽培環境で実用的に評価する。また,夜間のAEが多いキャベツで根のAE測定法を改善して夜間の根のAE解析を容易にし,学術的なメカニズム解明を目指す。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 東西畝北面定植によるキャベツの高温被害軽減と有効品種の水分生理特性2025

    • 著者名/発表者名
      NINAGI Tomoko、OZAWA Kiyoshi、KIMURA Naoki
    • 雑誌名

      生物と気象

      巻: 25 号: 0 ページ: 19-34

    • DOI

      10.2480/cib.J083

    • ISSN
      1346-5368, 2185-7954
    • 年月日
      2025-04-10
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 音響放射でとらえる作物反応2025

    • 著者名/発表者名
      小沢聖
    • 学会等名
      2025年日本農業気象学会全国大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 茎での植物AE測定に用いるエレクレットセンサの取付方法の検討2024

    • 著者名/発表者名
      星 陽和大
    • 学会等名
      センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 水噴霧時刻が閉鎖型苗生産システム内のトマト苗の水疱症発生に及ぼす影響2024

    • 著者名/発表者名
      志村春紀
    • 学会等名
      園芸学会2024年度秋季大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [産業財産権] アタッチメント2024

    • 発明者名
      蔭山健介
    • 権利者名
      埼玉大学
    • 産業財産権種類
      実用新案
    • 出願年月日
      2024
    • 取得年月日
      2024
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-11   更新日: 2025-12-26  

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