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ユーグレナの効率的な嫌気下物質生産能を基盤とした嫌気的バイオリファイナリーの創出

研究課題

研究課題/領域番号 24K01897
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41050:環境農学関連
研究機関大阪公立大学

研究代表者

中澤 昌美  大阪公立大学, 大学院農学研究科, 講師 (90343417)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2027年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
キーワードバイオリファイナリー / ユーグレナ / 嫌気的呼吸 / 嫌気的代謝 / 物質生産
研究開始時の研究の概要

本研究では、ユーグレナが、嫌気環境下でも細胞内の還元力を効果的に使って物質生産する能力に着目する。①ユーグレナが嫌気環境に適応した代謝機構を、遺伝子ノックアウト実験に基づいて明らかにする。さらに、明らかにした代謝機構を、申請者が開発した核ゲノム形質転換技術により制御する。②バイオ燃料の生産力を上げるとともに、同時に副産物として特定の高付加価値物質を生産させ、ユーグレナによる複合的バイオリファイナリーを実現する。③ユーグレナの嫌気下物質生産を支える代謝機構から、一般的な物質生産宿主に広く実装できる要素を見出す。これらの研究を通じて、効率的な嫌気的バイオリファイナリーの利用を広げることを目指す。

研究実績の概要

嫌気環境では化合物の酸化が抑えられるため、生物による中間代謝産物の生産(バイオリファイナリー)に適している。しかし、一般的な生物の代謝では、嫌気下で物質生産が低下するため、十分に使われていない。本研究では、この現状を打破できる研究対象として、ユーグレナが、嫌気環境下でもATPレベルを保ちながら、細胞内の還元力を効果的に使ってワックスエステルや有機酸、アミノ酸を作る能力に着目した。
まず、ワックスエステル合成における脂質鎖の伸長や修飾に関わる2つのβ酸化系酵素に着目し、遺伝子ノックアウトを行うことにより、生成される嫌気下でのワックスエステルの量や鎖長におよぼす影響を調べた。その結果、総合成量を損なうことなく、ワックスエステル鎖長を短鎖化、長鎖化することに成功した。このことは、ユーグレナが合成するワックスエステルを化成品原料として用いる際に、目的に応じた性質をもつワックスエステルを合成することを実現するために有望な成果である。
次に、ユーグレナの嫌気代謝を構成する要素として、嫌気的呼吸鎖と脂肪酸合成系との共役に着目した。この2つの経路をつなぐ要素としてロドキノンに着目し、ロドキノン合成能を失ったユーグレナノックアウト株(RQ欠損ユーグレナ)を作製して解析した。RQ欠損ユーグレナは嫌気下でのワックスエステル合成能力がコントロールの10%程度まで低下していたが、有機酸の分泌量はむしろ増加しており、従来の予測とは異なる電子伝達経路が機能していると考えられた。
さらに大腸菌にロドキノンを合成させ、代謝に及ぼす解析を行った。解析はメナキノン欠損大腸菌を親株として実施した。その結果、嫌気下で大腸菌が合成するコハク酸量が2倍程度に増加しており、メナキノンと同様に、ロドキノンは大腸菌細胞内で嫌気的な環境での電子伝達体として機能することが示唆された。

現在までの達成度
現在までの達成度

1: 当初の計画以上に進展している

理由

アミノ酸分析システムを導入し、予備的に稼働するに至った。ユーグレナの遺伝子ノックアウト系についても、順調に機能している。核ゲノム形質転換技術のブラッシュアップも進めることができた。概要には含めていないが、ノックアウト体の解析において予想外の表現型が表れており、新たな国際共同研究として独立した派生研究ができる可能性が高まった。

今後の研究の推進方策

ユーグレナのノックアウト体を作出する一連の技術が研究グループ内に十分浸透したため、今後は扱う変異体のバリエーションを拡張し、嫌気代謝に関わるより多くの遺伝子の同定を進める。ワックスエステルと他の高付加価値物質を同時生産する系についても、まずはノックアウト体による基盤株作製を進める。また、核ゲノム形質転換系の改良をさらに進め、遺伝子ノックインによる代謝改変の実証を行うとともに、とワックスエステル・高付加価値物質同時生産系の改良にもつなげる。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2025 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [国際共同研究] University of Liege(ベルギー)

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Genome editing-based mutagenesis stably modifies composition of wax esters synthesized by Euglena gracilis under anaerobic conditions2024

    • 著者名/発表者名
      Nagamine Sakura、Oishi Rikuto、Ueda Mitsuhiro、Sakamoto Tatsuji、Nakazawa Masami
    • 雑誌名

      Bioresource Technology

      巻: 410 ページ: 131255-131255

    • DOI

      10.1016/j.biortech.2024.131255

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ユーグレナにおけるロドキノンの生理機能解明と物質生産への活用2025

    • 著者名/発表者名
      中澤 昌美
    • 学会等名
      日本農芸化学会2025年度大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] ユーグレナのワックスエステル合成系における細胞質でのリンゴ酸合成とミトコンドリアへのピルビン酸輸送の寄与2025

    • 著者名/発表者名
      大石 陸人、中澤 昌美、上田 光宏、阪本 龍司
    • 学会等名
      日本農芸化学会2025年度大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] 電子伝達体キノンの改変による嫌気下物質生産向上を目指した研究2025

    • 著者名/発表者名
      佐々木 晴紀、中澤 昌美、柏山 祐一郎、戸谷 吉博、清水 浩、上田 光宏、阪本 龍司
    • 学会等名
      日本農芸化学会2025年度大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] ユーグレナの代謝改変による脂質とコハク酸の同時生産2024

    • 著者名/発表者名
      大石 陸人、片山 竜之介、中澤 昌美、上田 光宏、阪本 龍司
    • 学会等名
      第47回日本分子生物学会 年会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] ユーグレナの光呼吸とミトコンドリア代謝のつながり2024

    • 著者名/発表者名
      中澤 昌美
    • 学会等名
      日本植物学会第88回大会 シンポジウム
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-11   更新日: 2025-12-26  

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