研究課題
基盤研究(B)
多くの生物で「生殖」と「寿命」の間には負の相関が見られる。線虫においても生殖細胞を除去した個体の寿命は延伸することが知られているが、この分子機構はよく分かっていない。申請者はこれまでの研究でMML-1という転写因子の働きがこの制御の鍵を握ることを見出してきた。さらに生殖細胞除去に伴い、神経系のMML-1が活性化し、これが全身の組織の老化制御に必須であることを突き止めた。即ち、生殖腺から神経系MML-1を介してその他全身組織へと至る組織間情報伝達カスケードが存在し、これが生殖と寿命のバランス制御の中核を成すことが示唆されたが、この分子実体は依然謎のままであり、本研究でこの詳細を明らかにする。