研究課題
基盤研究(B)
Na+,K+-ATPaseは動物においてATPの化学エネルギーを細胞内外のNa+濃度差のポテンシャルエネルギーに変換する唯一のイオンポンプで、生体内で産生されるATPのおよそ50%以上を消費すると言われている。こうして形成されたNa+およびK+濃度差は広く物質輸送に使われるほか、浸透圧調節や神経の電気信号などの生命活動の基盤となっている。本研究はどのようにして濃度勾配に逆らってNa+やK+を輸送するのか、特に理解の進んでいない、結合したイオンを放出する過程の構造解析を目指す。また、ポンプをチャネル化する驚異の毒物の作用機序の構造的理解も推進する。