研究課題
基盤研究(B)
種間交雑は新たな種の形成=「交雑種分化」につながる場合がある.交雑種に染色体の倍加がおこらず,生態・行動の分化や遺伝的不和合性にもとづいて親種から生殖隔離される「同数性交雑種分化」は,少数の陸上ないし淡水性生物においてのみ詳細に研究されてきた.そのため,海洋を含む多様な環境下でこの現象がどのようにしておこるかは明らかになっていない.本研究では,同数性交雑種分化を経験した可能性が高い海水魚を2グループとりあげ,それぞれで種間の生殖隔離要因や親種の分岐・交雑種の形成年代といった集団動態を推定する.その結果をグループ間で比較することにより,海水魚では交雑種分化がどのように進行していくか推定する.