研究課題
基盤研究(B)
過去に発見された複数の知見から、大脳皮質全体の活動が欲求の程度に応じて変化し、行動を調節する神経メカニズムが存在すると推測される。実際、動機付けや価値の知覚の不全と考えられるうつ病の患者では、行動の調節に関わる前頭葉のみならず、大脳皮質全体の活動の変化が観察される(Wang et al. 2022)。そこで、異なる機能を担う大脳皮質(前頭前野と一次体性感覚野)の活動を比較することで、大脳皮質の神経回路が欲求の程度に応じて行動を調節する仕組みを明らかとする。欲求の低下や行動の異常を引き起こす仕組みを明らかとすることで、動機付けや価値の知覚の不全と考えられるうつ病の機序の解明につなげる。