研究課題
基盤研究(B)
研究代表者は、無脊椎動物であるカイコで、細菌や真菌の死菌による過剰免疫によりショック死が起こることを見出し、この現象はヒトの敗血症性サイトカインストームのモデルとなると考えた。ショック死したカイコの血中では麻痺ペプチドと呼ばれるサイトカインの濃度が上昇する。麻痺ペプチドの合成標品をカイコに注射してもショック死が起こることから、血液内における、サイトカインである麻痺ペプチドの濃度上昇がショック死を引き起こしていると考えられる。ショック死したカイコでは腸管が障害を受け、同時に、脂肪体が損傷する。これら一連のカイコの過剰免疫による個体死の過程には、哺乳動物における多臓器不全と共通した面がある。