| 研究課題/領域番号 |
24K02253
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
金井 弥栄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00260315)
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| 研究分担者 |
新井 恵吏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40446547)
齋藤 義正 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (90360114)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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| キーワード | Hepatocellular carcinoma / NASH / DNA methylation / Epigenome / Multi-omics analysis |
| 研究開始時の研究の概要 |
病理組織検体のエピゲノム解析結果に基づいて、NASH由来肝細胞がん症例をクラスタリングする。層別化された各症例群ごとに、ゲノム・エピゲノム・トランスクリプトーム・プロテオーム・メタボローム異常を高頻度にきたす分子を同定し、各層のオミックス異常が有意に集積する分子経路を同定する。これら分子経路内に、各症例群の治療標的候補を同定し、治療標的としての妥当性を、生体内の状況をよく反映する正常肝細胞ならびにNASH由来肝がん細胞オルガノイドによりin vitroで証明する。エピゲノムプロファイルによる症例層別化を再現できるCpG部位を同定して、各症例群の標的治療に対するコンパニオン診断マーカーとする。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、質の高い病理組織検体を用いたエピゲノムを主体とする多層オミックス解析結果と、詳細で正確な臨床病理学的・病理組織学的解析結果を用いて、近年急増している非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH)由来肝細胞がんの本態解明を促進し、未だ隠されている治療標的候補を同定することを目的とする。多層オミックス解析により闇雲にビッグデータを取得しても、不均一な症例群を同時に扱っていては、がんの本態に迫り適切な創薬標的を見出すことは不可能である。これに対し研究代表者らは、多段階発がん過程において前がん段階から起こり、DNAメチル化酵素が持つ維持メチル化機構によってそのプロファイルが確立したがんに継承されるDNAメチル化異常こそ、がんを臨床病理像と発がん分子経路の相違に対応するように、適切に層別化する鍵ではないかと考えてきた。そこで本研究では、病理専門医である研究代表者等が自ら病理診断して収集した病理組織検体の、エピゲノム解析結果に基づいて、NASH由来肝細胞がん症例をクラスタリングする。層別化された各症例群ごとに、ゲノム・エピゲノム・トランスクリプトーム・プロテオーム・メタボローム異常を高頻度にきたす分子を同定し、各層のオミックス異常が有意に集積する分子経路を同定する。これら分子経路の破綻あるいは活性化が、各症例群の肝細胞がん発生の分子基盤として重要と考える。この分子経路内に、各症例群の治療標的候補を同定し、治療標的としての妥当性を、in vitroで証明する。各症例群間でメチル化率が有意に異なり、エピゲノムプロファイルによる症例層別化を再現できるCpG部位を同定して、各症例群の標的治療に対するコンパニオン診断マーカーとする。これにより、NASH由来肝細胞がんの発がん分子経路の理解を進め、臨床実装に足る治療標的とコンパニオン診断パネルを同定することを目指す。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
大腸がん肝転移症例より得られた正常対照肝組織、肝細胞がん症例より得られたNASHの組織像を呈する非がん肝組織、そこから発生したNASH由来肝細胞がん組織において、Infiniumアレイによるゲノム網羅的DNAメチル化解析 (エピゲノム解析)ならびにRNA-seqによるトランスクリプトーム解析を実施した。DNAメチル化異常は前がん段階で起こり、NASH由来肝細胞がんに継承され、あるいはさらに亢進することがわかった。DNAメチル化プロファイルに基づいてNASH由来肝細胞がん症例を層別化したところ、病理組織像とよく相関する症例群にクラスタリングできることがわかった。エンリッチメント解析を実施したところ、前がん段階で起こりNASH由来肝がんに継承されるDNAメチル化異常を示し、そのDNAメチル化異常が発現異常に帰結することが我々の組織検体におけるトランスクリプトーム解析で直接証明された798遺伝子の中には、脂質代謝を含む代謝にかかる遺伝子や細胞増殖を制御する遺伝子が多いことがわかった。次に組織学的にNASHを呈する非がん肝組織を詳細に顕微鏡的に評価し、脂肪化・肝細胞風船様変性・小葉内炎症・線維化についてスコア化を行なった。NASH由来肝細胞がん関連305遺伝子のDNAメチル化率は、特に線維化スコアと有意に相関した。以上のように今年度の成果として、NASHを背景とする多段階発がん過程で、発現異常に帰結するDNAメチル化異常を示す遺伝子を網羅的に同定し得た。エピゲノム・トランスクリプトーム統合解析により、前がん段階から起こるDNAメチル化異常に基づく遺伝子発現異常は、NASHの病態を線維化優位に進展させるなどして、NASH関連肝多段階発がん過程に促進的に寄与する可能性が示された。
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| 今後の研究の推進方策 |
正常対照肝組織、肝細胞がん症例より得られたNASHの組織像を呈する前がん段階にあると考えられる非がん肝組織、そこから発生したNASH由来肝細胞がん組織において、メタボローム・プロテオーム解析データを既に取得している。非肝細胞がん症例より得られた未だがんの発生母地となっていないNASHを呈する肝組織と、肝細胞がん症例より得られた既にがんの発生母地となったNASHを呈する肝組織の差異に注目し、両組織検体の代謝プロファイルの差異と、その差異を創出するエピゲノム・トランスクリプトーム・プロテオーム異常を明らかにする予定である。
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